米連邦通信委員会(FCC)は、賛成3、反対2でネット中立性規則の廃止を承認した。
2015年、オバマ政権時代に導入されたネット中立性規則は、インターネットプロバイダーにすべてのインターネットコンテンツを平等に扱うことを求めるものだ。
FCCのAjit Pai委員長は2017年に入って、ネット中立性の廃止を提案した。FCCが2015年に電気通信法の「Title II」の規制をISPに適用する前にインターネットを統制していた「軽い規制枠組みに戻ること」を提案していた。それ以前、ブロードバンドサービスは「Title I」の情報サービスに分類されていた。
一方、この規則を廃止すると、米国ユーザーがサイトやサービスを利用するのに悪影響が及ぶとの批判も長く続いていた。
Pai委員長は投票に先立って用意された声明で、「Title Iの軽い枠組みに戻ることで、消費者の支援と競争の促進につながる」と述べた。
Pai委員長は、さらに次のように述べている。「ブロードバンドプロバイダーにとっては、特に未対応の分野にネットワークを構築し、ギガビットの転送速度や5Gにアップグレードする強い動機となるだろう。これは、ブロードバンドプロバイダー間の競争が激しくなることを意味する。また、新興企業にとっても大手テクノロジ企業にとっても、より多くのユーザーにアプリケーションやコンテンツを提供できる方法が増える。簡単に言えば、インターネットはより自由に、よりオープンになる」
米自由人権協会(ACLU)など多くのプライバシー擁護団体や権利擁護団体は、この動きを非難し、規則撤廃と闘うと誓った。
ALCUのJay Stanley氏は、コメントで次のように語った。「米国時間12月14日に行われたFCCの採決によって、通信会社がインターネットの利用方法に干渉を強め、オンラインの門番としての役割で金もうけに走るのを目にすることになるだろう」
今回の規則撤廃が「自由な市場に影響」を及ぼすと懸念される中で、数人の米議会議員も14日の採決取り消しをFCCに呼びかけた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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