米連邦通信委員会(FCC)の委員長を務めるAjit Pai氏は、Appleの最高経営責任者(CEO)に伝えたいメッセージがある。それは、「スイッチを切り替え」、「iPhone」に組み込まれているFMラジオを使えるようにせよ、というものだ。
この1カ月間に3つの大型ハリケーンによって大勢の人が通信手段を奪われたことを受け、Pai氏は米国時間9月28日、「ハリケーン『ハービー』『イルマ』『マリア』による惨状を考慮して、方針を見直す」ようAppleに促す声明を発表した。すべてのスマートフォンにすでに搭載されているFMラジオを利用すれば、被災中に「命を救う情報」にアクセスできるとPai氏は記している。
Appleは声明で、「『iPhone 7』と『iPhone 8』は、FMラジオ対応チップを搭載しておらず、FM信号に対応するアンテナもないので、これらの製品でFM放送を受信することはできない」と述べた。
Appleは、「特に危機の際には、ユーザーの安全を大いに案じている」と述べた。同社によると、iPhoneのロック画面から救急サービスに電話を掛けたり、医療IDカード情報にアクセスしたりできるなど、いくつかの安全策が製品に盛り込まれているという。気象注意報や、誘拐事件情報を伝える「アンバーアラート」など、行政機関からの緊急通知も受けられる。
こういった安全機能は、移動体通信ネットワークが機能している必要があるが、ハリケーンによる被害が最も大きかった地域では、この機能を利用できない人が多かった。FCCによると、ハリケーン「マリア」がプエルトリコを直撃してから1週間が過ぎても、90%以上の携帯基地局がまだ機能していないという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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