「Raspberry Pi」ユーザーは、「Chromium」「Firefox」「Midori」以外にブラウザの選択肢がもう1つ増えた。新たに発表されたパワーユーザー向けの「Vivaldi」実験用バージョンがそれだ。
Vivaldiは、Opera Softwareの最高経営責任者(CEO)を務めていたJon von Tetzchner氏が開発した「Blink」をベースとするブラウザ。これまで「Windows」「macOS」「Linux」の各OSを搭載したPC向けに提供してきたが、今回、Raspberry Piや「Cubieboard」、ASUSの「Tinker Board」など、ARMベースのさまざまな開発者向けボードにまで拡大する。
ノルウェーに拠点を置く開発元のVivaldi Technologiesによると、Vivaldiにモバイルブラウザはまだないが、モバイルブラウザへの取り組みが今回のRaspberry Pi向けビルドを開発する助けになったという。Vivaldiの新たなプラットフォームになり得るものとしては、サムスンの「DeX」プロジェクトも考えられる。DeXは、ディスプレイに接続した「Galaxy」スマートフォン上でフル機能のLinuxを実行できるようにするものだ。
Vivaldiの開発者らは同ブラウザについて、スマートテレビに内蔵されている簡単なブラウザに代わる選択肢として、テレビに接続したRaspberry Pi上で役に立つとしている。
LinuxベースのARMデバイス向けビルドは現在、実験用と位置付けられているため、定期的にバグ修正が提供されるわけではない。ただし、ユーザーからの報告は受け付ける。
Vivaldiは、アニメーションGIFを無効にして、Raspberry Piユーザーのリソースを節約してくれる。読みやすく表示する「リーダービュー」機能も備えているほか、Raspberry Piユーザーはタブのグループ化、スクリーンショットキャプチャ、メモなどの機能を活用できる。
Vivaldiはこの新たなARMブラウザを利用してコミュニティーを構築し、Raspberry Piコミュニティーに入り込もうとしている。Vivaldiはファンに対し、「ぶっ飛んだ」Raspberry Piプロジェクトを同社のブログのコメント欄に投稿すると、「Raspberry Pi Model 3」、Vivaldi専用ケース、Vivaldiがプリインストールされた16GバイトのmicroSDカードなどが当たる企画を実施している。
VivaldiをAndroid向けに提供する時期について、同社の広報担当者は米ZDNetに対して明らかにしなかった。
同社はiOS向けのバージョンも開発する意向だが、それには既存のChromiumやBlinkではなくWebKitを採用する必要があるため、より長い時間がかかる可能性がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」