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二足歩行ロボットに求められるのは次のビジョン--米スタートアップの挑戦 - (page 2)

Jordan Pearson (Special to CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2017年12月06日 07時30分
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 だが、そのAgility Roboticsもロボット市場で優位を保っていられる時間は限られている。実用的に二足歩行できるのは素晴らしいことだが、Cassieは注文したヘッドホンを単独で配達してくれるわけではないからだ。そのためには、腕と目が必要になる。しかも、そんなSF的な条件に進んで挑戦してくれるパートナーが必要なことは言うまでもない。

 11月初めのAgility Roboticsのオフィスは、オレゴンのうららかな月曜の朝に似つかわしくない、沈んだ雰囲気だった。Hurst氏は、電話をかけながら無表情にキーボードをたたいている。その傍らで、Jones氏は穏やかにいろいろと筆者を案内してくれた。オフィスは閑散としており、片手で足りるくらいの人数が黙ってデスクに向かっているだけ。オフィスの端には、Cassieが2体、ハーネスにぶら下がっていた。

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Jonathan Hurst氏
提供:Lara Heintz

 急速な起業の段階が過ぎた今、Hurst氏とJones氏はAgility Roboticsにとって事態が変わろうとしていることを鋭敏に感じとっているようだった。筆者がその場にいたことも、変化の兆候の1つになっていたのだろう。「われわれは短期間で多くのことを進めてきたかもしれないが、それでは十分ではない」とHurst氏は言う。

 Agility Roboticsは、新しい形のロボットを最初の1年のうちに発表し、作り上げてしまった。Cassieの動きを制御する物理的特性の大半は、Hurst氏と学生チームが2015年の「DARPA Robotics Challenge」で披露した歩行ロボット「ATRIAS」で考案されたものだった。このときの劇的なデモの効果で、Hurst氏は米国防総省の研究部門であるDARPAから、ロボット研究をさらに進めるためとして100万ドル(約1億1000万円)の助成金を受けることになった。こうして、CassieとAgility Roboticsが誕生したのだ。

 目下のところ、Cassieの製造プロセスは地産地消の形をとっている。Jones氏が住んでいるのは、彼の親の農場の一角にある、板金で作られた部屋だ。研究は、ほど近いコーバリスにある大学で行われているし、ロボット用の加工はすべて、Hurst氏と古くから付き合いがあって、ロボット研究家としてのニーズを理解してくれる、地元の機械工場で進められる。組み立てだけ、オールバニのAgility Robotics本社で行っている。

 だが、Cassieが歩行する人間型ロボットの未来を目指すなら、今のように超ローカルなプロセスで進めていくのは難しいだろう。

 Agility Roboticsが抱く志と、地元志向のプロセスとの関係の難しさは、コーバリスでCassieの部品を作っているRam-Z Fabというショップでも顕著に表れていた。このショップを経営するScott Ramsey氏は大柄で、見かけこそぶっきらぼうだが、親切な人物である。壁一面に貼られているカレンダーやポスターは、地元のSquirrel's Tavernというパブのもので、最も古いものは1993年の発行だ。Ramsey氏は、この25年間、毎週欠かさずこのパブに通っていると教えてくれた。

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