Appleは米国時間11月30日、「Heart Study」アプリを米国でリリースした。「Apple Watch」の心拍センサを使用して、ユーザーの心拍リズムに関するデータを収集し、心房細動(AFib)の疑いがある場合は通知する。
この技術は、必ず症状が現れるとは限らない病状を検出する上で、重要なものとなる可能性がある。
米疾病管理予防センター(CDC)によると、米国では心房細動が原因で約75万人が入院し、毎年13万人が死亡しているという。
「Apple Watch」のセンサは、1秒間に数百回点滅する緑色のLEDライトを使って、心拍数と心拍リズムを算定する。感光性があるフォトダイオードが、手首の血管を流れる血液の量を検知する。続いて、センサが手首の4カ所から信号を収集すると、Apple Watchがソフトウェアアルゴリズムを利用して、他の「ノイズ」から心拍リズムを分離できる。この方法で、「Apple Heart Study」アプリは不規則な心拍リズムを識別できる。
Appleは、スタンフォード大学医学部と提携してこの研究を進めている。
Appleの最高執行責任者(COO)であるJeff Williams氏は、発表の中で次のように述べている。「医学界と協力することで、特定の健康状態について人々に情報を提供できるようになったが、それにとどまらず、心臓科学分野での発見も促進したい」
Apple Heart Studyで不規則な心拍リズムが検知されると、Apple Watchと「iPhone」に通知が届くほか、この研究を担当する医師の無料相談やECGパッチを利用して、さらに進んだモニタリングができる。
Apple Watchユーザーはこれまで、米食品医薬品局(FDA)の認可を受けた「Kardia Band」のような製品をデバイスに追加すれば、心電図を読み取り、場合によっては、心房細動のような心臓の異状を検知できた。今後は、Apple Watch単体でそうしたことが可能になる。
Heart StudyアプリはAppleの「App Store」を通じて、22歳以上を対象に米国で提供されている。利用するには「Apple Watch Series 1」以降の製品が必要だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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