スマートウォッチがユーザーに何か通知する場合、画面を光らせたり音を鳴らしたりする以外だと、内蔵しているバイブレータで手首に振動を与える方法がよく使われる。
これに対し、Appleはバンドに寄らせた“しわ”で情報伝達する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間11月28日に「OUTPUT DEVICES FOR FABRIC-BASED ELECTRONIC EQUIPMENT」(特許番号「US 9,830,783 B1」)として登録された。出願日は2015年9月22日。
この特許は、何らかの繊維を編んで作られた布に形や動きを制御できるワイヤーを編み込み、このワイヤーを変形させる技術を説明したもの。例えば、スマートウォッチのバンドをこの布で作ると、手首に与える感触でさまざまな情報をユーザーに伝えられる。スマートフォンに限らず、身に着けて使うウェアラブルデバイスならこの特許は適用可能だ。
ワイヤーの形の変え方を、丸みを持たせたり、3角形にとがらせたり、矩形状にしたり使い分ければ、ユーザーは違う感触を得るので異なる種類の情報を表現できる。変形させる度合いや数、位置を操作すれば、情報の種類をさらに増やせる。変形パターンを時間の流れに応じて変化させることも考えられる。
繊維の種類は限定しておらず、綿や絹、ゴムといった天然素材のほか、ナイロンなどの化学繊維、金属などが利用できる。ワイヤーは、あらかじめ変形させたものを回転させる、といった方法で布に“しわ”を作る。また、温度に反応する形状記憶合金でワイヤーを作り、加熱するなどして変形させる、という方法でもよい。
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