一口に自動運転といっても、自動化の度合いはさまざまだ。もっとも高度なSAE Level 5の完全な自動運転になると、走行時に人間の介在は不要だ。周囲の状況に注意する必要がなくなるため、乗員は車内で運転以外のことに集中できる。PCで仕事を進めてもよいし、車内エンタメシステムで映画を楽しんでもよい。
移動中の時間を有効活用できるわけだが、車に乗って読書をすると乗り物酔いすることがある。どうやら、走行の影響で感じる揺れと目から入る情報の不一致が、酔いを起こすらしい。
自動運転の実現に向け積極的に取り組んでいるUber Technologiesは、この自動運転車の乗り物酔いを問題視し、解消させる技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間11月2日に「SENSORY STIMULATION SYSTEM FOR AN AUTONOMOUS VEHICLE」(公開特許番号「US 2017/0313326 A1」)として公開された。出願日は7月17日。
この特許は、完全自動運転車で起こりやすいとされる、視覚情報と揺れの不一致に起因する乗り物酔いを防ぐ技術を説明したもの。自動運転車の各種センサでとらえたデータを利用し、乗員に適切な刺激を与えることで乗り物酔いを起こらないようにするとしている。
センサでとらえる情報としては、加速、減速、方向変更といった動き情報に加え、加速度センサから得るデータも利用する。また、乗員に対しては、車外の映像を見せる、照明を変化させる、何らかの音を流す、シートを振動させたり傾けたりする、空調の設定を変える、風を吹き付ける、といった刺激を与えるという。
なお、こうした刺激に乗り物酔い防止効果があるかどうか、この特許文書だけでは定かでない。あくまでもUberは、自動運転車の動きに応じて乗員へ何らかの刺激を与えるシステムを実現するにあたり、必要な技術要件を示したに過ぎない。
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