ウェアラブル企業の多くは、自社の製品が洋服ダンスの中に2年も置きっぱなしにされていたら、その製品は失敗だったと考えるだろう。だが、Spireがリリースした新しいウェアラブルヘルストラッカー「Spire Health Tag」にとっては、それが成功を示すサインかもしれない。
他の多くのウェアラブルと同じように、Spireが最初に発売した「Spire Stone」はクリップで着脱する活動量計だった。この製品は「Fitbit Flex」の小さな着脱式トラッカーと比べてかなりサイズが大きかった。だが、加速度計がベースのシンプルなウェアラブルのように日常の活動を測定するというだけではなく、呼吸を絶えず測定し、例えばストレスから来る反応があることを知らせてくれる。
ウェアラブルメーカーの間では、活動を追跡するウェアラブルデバイスの主要な機能を、電力消費は大きいが、より見やすいスマートウォッチに搭載しようとする動きが増えている。例えば、Fitbitは買収や新製品のリリースによって、こうした新しいカテゴリへの取り組みを強力に進めている。だがSpireは、主要なテクノロジである呼吸検出センサの消費電力を大幅に削減した。その成果が、新製品の Health Tagだ。Health Tagは、ブラジャーやショーツなどの下着やパジャマといった、肌に直に着る衣類に貼り付けたまま使用する製品(実際は、複数のHealth Tagを日常的に着るさまざまな衣類に貼り付けて利用する)だ。
Health Tagを衣服に貼り付ければ、約1.5年間充電しなくても、身体活動、睡眠、心拍数、心拍変動、呼吸パターンなどを監視してくれる。手回し充電器のように、わざわざ動かして充電する必要もない。小さいバッテリで監視を続けなければならないウェアラブルには、電力消費の問題が常につきまとっているが、Spireは充電という面倒な作業を不要にした。
実際のところ、Health Tagは充電ができない。同じくバッテリ寿命が長いアイテムトラッカーの「Tile」のように、バッテリが切れた場合は、メーカーに製品を送り返して交換してもらう必要がある。
SpireはHealth Tagについて、衣類に貼り付けたまま利用することを意図した製品だと述べているが、それは文字通りの意味だ。Health Tagは、洗濯や乾燥を繰り返しても耐えられる。
Health Tagは、各種製品の中でスマートウェアの真の形に最も近づいた製品なのかもしれない。だが、他の一般的なデジタルデバイスの機能をはるかに超えた機能を提供できなければ、そのシームレスな使い勝手が大きな価値を生み出すことはないだろう。そこでSpireは、他の製品の先を行くために、単に活動を監視するだけでなく、ユーザーにアドバイスを積極的に提供する機能を搭載している。ユーザーが、睡眠の質を高める、元気な状態を維持する、緊張を和らげるといった目標を設定すると、Health Tagは(アプリ経由で)「昨日の夜は、眠りに落ちるまでいつもより26%長くかかりました。今晩は寝る前に簡単な呼吸トレーニングをしてみませんか?」といったアドバイスをしてくれる。
心臓発作や脳卒中のような重大な症状を予見するような機能はまだ提供されていないが、同社はこうした有益な機能への取り組みも見据えている。
Health Tagは使いたい衣類の量に合わせて選択できるよう、単体(49ドル)または3個(99ドル)、8個(199ドル)、15個(299ドル)のマルチパックが提供され、12月以降に出荷される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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