いつの日か、米コロラド州デンバーの住民はチューブ内を最高時速200マイル(約322km)で走行する交通システムで、デンバー周辺を移動できるようになるかもしれない。
米国時間11月14日に発表されたArrivoとコロラド州交通局の提携によって、そのような可能性が生じてきた。Arrivoはロサンゼルスに本社を置く交通システムのスタートアップであり、この企業を率いるのはHyperloop Oneの元幹部で共同創設者でもある人物だ。この提携の狙いは、磁気浮上技術と電力を利用する一連の閉鎖型スーパーハイウェイを構築し、交通渋滞問題を抱えるデンバーの中心部で磁気浮上式の車両を高速で走行させることである。
Arrivo(「到着」を意味するイタリア語)は2017年に入り、Hyperloop Oneの最高技術責任者(CTO)を務めたこともあるBrogan BamBrogan氏によって共同創設された。BamBrogan氏は2016年7月、Hyperloopを退職し、同社の幹部陣を名誉毀損と受託者義務違反、脅迫(BamBrogan氏の椅子に輪縄がかけられた)で訴えた。
この訴訟は同年11月に和解が成立した。BamBrogan氏は現在、デンバーの都市部に1500万ドルを投じるテストセンターとテスト路線を構築する作業に注力している。
真空チューブ内を最大時速700マイル(約1127km)で走行する交通システムで乗客と貨物を長距離輸送すると約束するHyperloopと異なり、Arrivoは乗客がそれよりもはるかに短い距離をはるかに遅い速度で移動することを可能にする。それでも、乗客は現在よりはるかに速くデンバー周辺を移動できるようになる。具体的には、現在だと通常1時間かかるラッシュアワー時のデンバー中心部とボルダー間の移動をわずか8分に短縮できる。
「乗客と車両は、極めて低いコストで素早く効率的に移動するようになる」と、BamBrogan氏は発表の中で述べ、「Arrivoは交通渋滞をなくし、将来にわたって使える地域の移動手段を実現する」とした。
コロラド州交通局のエクゼクティブディレクターであるShailen Bhatt氏は発表の中で以下のようにコメントしている。「コロラド州では多くの場所で道路が限界に達しつつある。ArrivoはHyperloopのような技術を実装するためのユニークで合理的なアプローチをとっており、それによって渋滞をなくし、人や物がデンバー周辺を移動する手段を大きく改善しようとしている」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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