弁護士ドットコムは10月30日、契約締結と契約にかかわる決済を同時に実行できる「クラウドサインペイメント」と、チャットボットによるAI法律相談サービス「交通事故過失割合Chatbot」の提供を開始した。
クラウドサインペイメントは、クラウドサインに契約書をアップロードし、用意されている決済タグに決済情報を入力後、契約締結することで契約の締結と決済を同時に実行できるサービス。
請求側は、請求書作成、印刷、送付、入金確認、催促などが不要になり、支払側は、振込作業が不要になるため、決済にかかる事務コストが大幅に削減できる。また、契約と同時にクレジットカードでの支払いが確定するため、与信・回収リスクが解消され、振込による代金回収よりも入金サイクルが早まるという。
同社によると、国内の法人決済市場は約920兆円に上るが、銀行振込や小切手などの決済方法が過半を占めており、クレジットカード決済額は0.3%に留まっているという。そこで、あらゆる商流の起点となる「契約締結」と「決済」を同時に実行できるクラウドサインペイメントを提供することで、法人決済市場のキャッシュレス化および、リーガルテックサービスの普及・推進を目指すという。
同社では、クラウドサインペイメントについて家賃、駐車場代、税理士・会計士への報酬など月額課金ビジネス全般での利用を想定。今後は、同サービスを発展させる形で、ブロックチェーン技術を用いて所有権移転などの契約の自動執行を可能とし、従来の書面による契約締結実務をより効率化かつ安全に進める技術「スマートコントラクト・システム」の開発を検討するという。
交通事故過失割合Chatbotは、人工知能関連技術やブロックチェーン技術などの最新技術を研究するリーガルテックラボが開発した、無料で利用できるAI法律相談サービス。
交通事故における過失割合とは、交通事故の責任が加害者と被害者にそれぞれどの程度あるのかを数値化したもの。この数値は賠償額を左右するため、交通事故の被害者は適切な過失割合基準を知る必要がある。このチャットボットを使うことで、事故当時の状況を整理し、おおよその過失割合を無料で調査。過失割合を把握したうえで、弁護士などに相談するなど、対応方針を検討できるという。
リーガルテックラボでは、同チャットボットのようなAI技術を活用した個人向け法務サービスや、「法務案件回答」および「契約内容審査」の自動化を実現し、企業のバックオフィス業務を効率化する「コグニティブ法務案件FAQ」などの企業向け法務サービスを手掛けている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス