金融庁は10月27日、トークンを使った資金調達手段「ICO(Initial Coin Offering)」が持つリスクなどの注意喚起を実施した。
ICOとは、企業などがトークンを発行し、パブリックから資金調達する手法。トークンセールと呼ばれることもある。同庁では、ICOのリスクとして、トークン価格の急落や無価値になってしまうことのほか、ICOで調達した資金をもとに実施する予定のプロジェクトや、商品・サービスが実際には提供されないなどの詐欺的リスクがあるとしている。
このため、トークンの購入にはこうしたリスクがあることや、サービスの概念や仕様などをまとめたホワイトペーパーなどからプロジェクトの内容をしっかり理解した上で、自己責任で取引する必要があるという。また、ICOに関する不審な勧誘には十分注意し、内容に応じて金融サービス利用者相談室に相談するよう促している。
また、ICOに関連する事業者向けの注意点として、ICOの仕組みによっては資金決済法や金融商品取引法などの規制対象になるとし、事業者は、登録など関係法令に必要な義務を適切に履行するよう言及している。もし、登録なしでの事業を展開した場合は、刑事罰の対象になるという。
なお、ICOにおいて発行される一定のトークンは資金決済法上の仮想通貨に該当するため、通貨交換事業者は、内閣総理大臣(各財務局)への登録が必要になるとしている。投資性を持つICOでは、仮想通貨での購入であっても、実質的に法定通貨での購入と同視されるスキームについては、金融商品取引法の規制対象になるとしている。
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