ソニー、遠隔操作でも走行できるニューコンセプトカート「SC-1」を開発

 ソニーは10月24日、乗員の操作による運転に加え、クラウドを介して遠隔からの操作でも走行ができるNew Concept Cart(ニューコンセプトカート)「SC-1」を試作開発したと発表した。


New Concept Cart(ニューコンセプトカート)「SC-1」

 全高1850mm×全幅1310mm×全長3140mmで、走行速度は0~19km/h。3名乗りで、車内に49インチモニタを1台、車外に55インチモニタを4台備える。いずれも4K解像度になる。35mmフルサイズ Exmor R CMOSセンサを5台搭載し、人が視認しながら運転する一般的な自動車と違い、360度全ての方向にフォーカスが合った映像で周囲の環境を把握できるとしている。搭載したイメージセンサの超高感度な特性と、内部に設置された高解像度ディスプレイにより、乗員が夜間でもヘッドライトなしに視認可能だ。

 イメージセンサで周囲を捉えていることから窓が不要となり、代わりに高精細ディスプレイを配置。さまざまな映像を車両の周囲にいる人に対して映し出せる。イメージセンサで得られた映像をAI(人工知能)で解析することでインタラクティブに発信する情報を変化。車両周囲にいる人の性別・年齢などの属性を判断して、最適な広告や情報を表示できるという。

 SC-1は自社開発の融合現実感(Mixed Reality)技術を搭載。乗員がモニタで見る周囲の環境を捉えた映像に、CGを重畳することで、車窓をエンタテインメント空間に変えられる。

 超音波センサと二次元ライダー(LIDAR:レーザー画像検出と測距)も搭載し、ネットワーク接続されたクラウド側には走行情報を蓄積。ディープラーニングで解析することで、最適な運行アシストにつなげるほか、車両に搭載した複数のセンサからの情報をエッジ・コンピューティングで判断し、安全な走行をサポートする。

 9月より学校法人沖縄科学技術大学院大学学園(OIST)のキャンパスで、SC-1の実証実験を開始。各種走行試験に加え、太陽光など自然エネルギーの利用も含めた電力利用や、走行時の消費電力の低減と最適化を考察している。

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