Google Lensが初めて披露されたとき、大きく話題になったのが、ルータのWi-Fiパスワードを写真に撮るだけで、Google Lens搭載のスマートフォンが自動でネットワークに接続するという動画だった。Chennapragada氏のチームは、画像認識とビジュアル検索に向けて壮大な目標を掲げていたが、ユーザーの多くは、スマートフォンのカメラに写ったものを何でもコピー&ペーストできる機能の方に関心を示した、と同氏は指摘する。Google Lensには、名刺を撮影して名前やメールアドレス、電話番号を読み取るという機能もある。
「現実世界とスマートフォンを、これほど見事に橋渡しできるのは初めてのことだ」(Chennapragada氏)
Google Lensは単独のアプリや製品ではなく、幾つかのGoogleのサービスに組み込まれる機能である。まず導入されるのは、「Googleフォト」だ。使い方を説明すると、まず写真を撮り、撮影した写真を開くと、画面の下部に四角いGoogle Lensのアイコンが表示される。
本の情報検索は、うまく機能する。David Kirkpatrick著「The Facebook Effect」を撮影してみると、著者名と書評が表示された。
文字情報がほとんど、あるいはまったく無いものを写した場合は、ソフトウェアが被写体をできるだけ判別しようと試みる。例えば、サンフランシスコにある筆者のオフィスから、窓の外に見える未完成のSalesforce Towerを撮ってみた(まだ建設途中なので、公正なテストと言えないことは承知している)。Google Lensでは特定できず、別の高層建築の写真が検索結果に表示されるだけだった。
ほかに、筆者のデスクにあった、アニメ「ザ・シンプソンズ」のキャラクター、バート・シンプソンのフィギュアも撮ってみた。「フィギュア」だということは認識され、同じような色のフィギュアの写真が示される。別のアニメ「ルーニー・テューンズ」のフォグホーン・レグホーンなどだ。だが、バート・シンプソンの写真も1枚入っていた。
このソフトウェアにはまだ改良の余地があるものの、果敢な試みだ。
そして、まだ始まったばかりとはいえ、Googleはきちんとした成果を出さなければならない。「ユーザーは飽きやすい。試してみたものが期待外れに終わると、呼び戻すのは容易なことではない」。Dawson氏はこう述べている。
Googleも、その点の重大さは分かっている。Google Lensの提供開始に向けては十分に時間をかけている、とChennapragada氏は語っている。搭載するデバイスの種類についても、導入するGoogleサービスの数についてもだ。「提供開始は、機能に合わせて進めている」(Chennapragada氏)
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