CNET Japanの編集記者が気になる話題のトピックなどを、独自の視点で紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。今回はエンターテインメント関連を取材している佐藤が担当。10月7日と8日の2日間、東京・日本武道館にて開催されたイベント「THE IDOLM@STER 765 MILLIONSTARS HOTCHPOTCH FESTIV@L!!」の模様をお届けする。
これは、バンダイナムコエンターテインメントが多方面に展開している「アイドルマスター」シリーズをテーマとしたライブイベント。今回は長年シリーズをけん引し、現在では主に家庭用ゲームなどで展開している765プロオールスターズのアイドルを演じるキャスト陣と、ソーシャルゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ!」ならびに、スマートフォン向けゲームアプリ「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」(ミリシタ)に登場するミリオンスターズのアイドルを演じるキャスト陣による合同ライブとなった。
これまでも765プロとミリオンスターズのキャスト陣が一緒にライブイベントへ出演することはあったが、合同ライブという形としては、4月に台湾で行われた「THE IDOLM@STER 765 MILLIONSTARS First Time in TAIWAN」以来で、日本国内では初めてとなる。
会場となった日本武道館は、3月にミリオンスターズ単独での4thライブを開催した思い出の場所。そこに大勢のファンである“プロデューサーさん”が詰めかけたほか、ライブビューイングは国内のみならず、香港や台湾でも実施。2日間の出演者に重複はなく、1日目には23名、2日目には24名の計47名が出演。両日ともに25曲ずつ、4時間近くのステージを行った。
1日目に出演したのは、天海春香役の中村繪里子さん、我那覇響役の沼倉愛美さん、菊地真役の平田宏美さん、四条貴音役の原由実さん、高槻やよい役の仁後真耶子さん、三浦あずさ役のたかはし智秋さん、春日未来役の山崎はるかさん、エミリースチュアート役の郁原ゆうさん、北上麗花役の平山笑美さん、高坂海美役の上田麗奈さん、佐竹美奈子役の大関英里さん、篠宮可憐役の近藤唯さん、ジュリア役の愛美さん、白石紬役の南早紀さん、中谷育役の原嶋あかりさん、七尾百合子役の伊藤美来さん、二階堂千鶴役の野村香菜子さん、野々原茜役の小笠原早紀さん、箱崎星梨花役の麻倉ももさん、舞浜歩役の戸田めぐみさん、宮尾美也役の桐谷蝶々さん、望月杏奈役の夏川椎菜さん、横山奈緖役の渡部優衣さん。
この日は青と白を基調に、カラフルなアルファベットの文字があしらわれたステージ衣装で登場。1曲目に「Welcome!!」を披露し、続けて演じるアイドルと自身の自己紹介が行われ、会場を盛り上げていた。
今回のライブは「HOTCHPOTCH」の名前が示すように“ごった煮”がテーマとなったもの。ステージがお鍋で、アイドルたちがお鍋の具材と見立て、さまざまな組み合わせと楽曲が楽しめるというコンセプトとなっていた。アイドルマスターのライブでは、ゲームやCDで披露されるオリジナルメンバー以外のキャストが加わったり、代わりに歌うこと自体は珍しくなく、そのときの組み合わせを楽しむのも特徴となっているが、今回は楽曲も含めてシャッフル度合いを強めたものだ。
そのときに歌うメンバーや楽曲は、設定的なつながりやだじゃれといったことも含めて何らか意味があるものという。たとえば序盤で披露された平田さん、たかはしさん、戸田さん、近藤さん、上田さんによる「神SUMMER!!」は、演じるアイドルが夏生まれということで、夏をテーマにした楽曲。伊藤さんと夏川さんが披露した双海亜美・真美の楽曲「スタ→トスタ→」は、ミリシタ内における亜美の「オフショット」において、2人が演じる百合子と杏奈が、亜美と真美とともに765プロゲーム部として遊んでいるシーンがあるといった具合だ。一部ユニットは事前に公開され、予想する楽しみも提供された。
曲が披露される前には「ハッチポッチルーレット」というくじびきのような映像も用意され、表示されたアイドルの組み合わせで歓声が沸き、さらに曲のイントロが流れるとさらに大きな歓声が沸き上がる状態に。それだけ予測不能といっていいほどの夢の組み合わせかつ、ここ何年もライブでは歌われなかった楽曲まで含めて披露され、ミリオンライブ!として4年、アイドルマスターとして12年にもおよぶ歴史を感じさせるものとなった。
沼倉さん、原嶋さん、小笠原さんによる「アニマル☆ステイション!」では、動物をイメージした頭を覆うタイプの帽子をかぶり、さらに沼倉さんは響と切っても切り離せない存在である「ハム蔵」のぬいぐるみも付けて登場。伊藤さん、近藤さん、渡部さんによる「きゅんっ!ヴァンパイアガール」では、ヴァンパイアをイメージさせるマントを羽織って歌い上げる。仁後さん、上田さん、平山さんによる「スマイル体操」ではジャージ姿で元気に歌い上げるなど、楽曲によっては、イメージに合わせた小物や小道具などが用いられた。
ほかに、ギター奏者でもある愛美さんが、春香のロックナンバーである「I Want」で中村さんとともにステージに立ち、演奏しながら一緒に歌い上げたほか、仁後さんと原嶋さんによる「キラメキラリ」では、間奏のギターソロに登場するなど盛り上げに一役買っていた。
もちろん、バラエティにあふれた楽曲のなかでも、純粋に歌で魅了する場面も。たかはしさん、桐谷さん、平山さんの「I'm so free!」では伸びやかに歌声を響かせ、原さん、麻倉さんによる「KisS」では、アダルティな雰囲気を前面に押し出しながら歌い上げていた。また、12人で披露した「PRETTY DREAMER」のなかには、CDのオリジナルメンバーである響演じる沼倉さんが、初めてライブで歌えたことに触れ、4年越しの悲願が達成できた喜びを表していたのをはじめ、平田さんと戸田さんによる「Beat the World!!!」は、オリジナルユニットでのライブが実現できたことに、戸田さんが感激しながら話す場面も。
ミリオンライブ!の「DIAMOND DAYS」をミリオンスターズが歌い、12月21日発売予定のPS4用ソフト「アイドルマスター ステラステージ」の新曲となる「ToP!!!!!!!!!!!!!」を、765プロオールスターズが歌った場面もあれば、ミリオンライブ!の「Raise the FLAG」を中村さん、沼倉さん、仁後さん、平田さんが、765プロオールスターズの「ザ・ライブ革命でSHOW!」を大関さん、山崎さん、夏川さん、愛美さん、郁原さん、桐谷さんが披露するといった、お互いの楽曲を交換して歌うという、合同ライブならではの一幕もあった。
トークコーナーは、平田さんの軽妙な進行によって終始笑いが絶えないにぎやかなものに。南さんについて、沼倉さんが“大物”と表現するほどの携帯電話にまつわるエピソードが飛び出したほか、PRETTY DREAMERにちなんだ「反則的に可愛い選手権」では、沼倉さん、愛美さん、南さんが演じるアイドルとしてのかわいい一言を言うために、他のキャストを巻き込みつつ奮戦。場内を沸かせていた。
こと南さん演じる紬は、ミリシタから新たに追加されたアイドルの1人。南さんはアイマスイベント出演経験が浅いながらも、物おじした印象もなくさまざまな楽曲に参加し、のびのびとしたパフォーマンスを披露。たかはしさん、郁原さん、原さんとともに「アマテラス」、沼倉さんとともに「shiny smile」を、ともにさわやかさを押し出しながら歌い上げ、存在感を出していた。
終盤では全員で「カーテンコール」、アンコールで「Brand New Theater!」「THE IDOLM@STER」が歌われた。そのひとつ前、ユニットとしては最後となる曲には、中村さんと山崎さんによる「ハルカナミライ」を披露。765プロオールスターズとミリオンスターズそれぞれのセンターとしてけん引する2人が息の合ったステージを展開し、終わったときには抱き合って喜びを表していた。
最後のあいさつのなかでは、感慨にふけるというよりは、楽しかったといったものから、絆が深まったといった充実感を味わっていると受け取れるコメントが相次いだ。そんななか中村さんは、感想として「とっても悔しい」という言葉を言って驚かせたが、これは不出来を意味するのではなく、あまりに楽しい時間が終わってしまうことの寂しさを表現したもの。最高の1日が過ごせたことに感謝の言葉を送っていた。
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