SORACOMが大型アップデート、HLRの独自実装やSMSによるデータ送受信が可能に

 ソラコムは10月11日、IoT通信プラットフォーム「SORACOM」の大規模アップデートを実施した。


ソラコム代表取締役社長の玉川憲氏

 SORACOMでは、グローバルで利用できるIoT向け通信サービス「SORACOM Air for セルラー」において、加入者管理機能(HLR)を実装した。これまでNTTドコモの認証基盤(HLR)を利用してSIMを発行していたが、SIMを内蔵した組み込み機器の場合、一度開通してしまうと工場での疎通確認後の在庫期間でも基本料金が発生していた。今回、HLRの自社実装で「利用開始待ち」ステートを追加。エンドユーザーの手に渡るまで回線を休眠させることで、通信コストをゼロに抑えられる。


HLR機能を実装

 この機能は、SORACOM Air for セルラー向けの新プラン「plan01s」「plan01s-Low Data Volume」にて提供する。基本料金は、両プラン共に準備完了・利用開始待ち・利用中断状態が無料(1年間、継続する場合は更新料として1.8ドルが必要)。使用中の場合は、plan01sが1日あたり0.06ドル、plan01s-Low Data Volumeは1カ月あたり0.4ドルとなる。利用開始待ち状態からの再開は、1回あたり1.8ドルのアクティベーション料金が発生する。


plan01sの料金体系

利用開始待ちからの復帰には、アクティベーション料金が必要

 また、SORACOM Air for セルラーでのeSIM提供も実施。カード型SIMに加え、小型サイズ(5mm×6mm)のチップ型SIMを1個あたり6ドル(最低発注数は3000)で取り扱う。デバイスの小型化に貢献するほか、カード型と比べて振動に強く、車載や工業製品への組み込みに適しているという。そのほか、量産向け通信モジュール「UC20-G」もラインナップ。基板実装タイプの3G通信モジュールで、250個単位(1個29ドル)で購入できる。


新たに提供するチップ型SIM

 そのほか、IoT/M2M機器に適したセキュアなSMSサービスを提供する。契約者のみが送受信できるネットワークにおいて、ウェブコンソールやAPI経由でのSMS送信が可能になるほか、機器から「SORACOM Beam」「SORACOM Funnel」「SORACOM Harvest」に向けてSMSを送信できる。データ単価は高いものの、データ回線を起動せずに送受信できるため、機器の消費電力を削減できる。SMSでのデバイス起動やコマンドの送信も可能だ。


APIコールからのデバイスへのSMS送信が可能に

デバイスからSMSを送信してSORACOM各サービスにデータ送信することも可能

 これに加え、SORACOM独自アプリケーション(アプレット)を組み込んだSIMを提供。機器が受信している携帯電話キャリアやネットワーク情報を取得・送信する機能を搭載する。アプレットを利用した「Multi IMSI」技術によるデータ通信の最適化により、自動車に搭載したIoT機器が国境を超えた場合に、自動的にその国に対応したキャリアに切り替えることなどが可能となる。


SIMアプレットに対応し、Multi IMSIによる通信最適化も可能

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