ロシア政府とつながりのあるハッカーの動きを探っていたイスラエル情報機関のチームが、世界で4億人が使っているKaspersky Labのアンチウイルスソフトウェアが、これらのハッカーにツールとして愛用されていることを暴き出したと、The New York Timesが米国時間10月10日付で報じた。
今回の報道によると、2年前にこのハッキングを検知したイスラエル情報機関のチームは、ロシアのハッカーたちが、情報を探るためのツールとしてこのソフトウェアを使っていると、米国に対して警告したという。これを受けてトランプ政権は各連邦機関に対し、モスクワを本拠とするサイバーセキュリティ企業であるKaspersky Labの製品をネットワークから削除するように命じたとのことだ。
また、The Washington Postの別の報道によると、このイスラエルのチームは、Kasperskyのネットワーク内で、米国家安全保障局(NSA)に由来するとしか考えられないハッキングツールを発見したという。イスラエルがこの件をNSAに通知したところ、NSAでは調査の末、このツールを保有しているのはロシア政府だとの結論を得たと、同紙は伝えている。
Kasperskyは、この件についてあらゆる関与を否定し、何も知らないとの見解を示した。
Kasperskyは声明で、「製品の公正性はわれわれのビジネスの基盤であり、Kaspersky Labでは、自社で特定したもの、あるいは当社に報告があったものを含め、すべての脆弱性にパッチを施している」と主張した。「当社の製品およびシステムに対して米国当局が持ついかなる懸念に対しても、当局に協力し率先して対処することをKaspersky Labは繰り返し表明しており、今回の虚偽の告発に信頼できる形で反証するため、Kaspersky Labによる調査に役立つ、検証可能で適切な情報の提供を要請するものである」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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