ロシアの工作員が数万ドルを費やして「YouTube」「Gmail」「Google検索」に広告を配信していたことが、Googleの内部調査で明らかになったという。
Washington Postが米国時間10月9日の記事で報じたところによると、これらの広告は、ロシアがGoogleの広告プラットフォームを利用し、2016年の米大統領選挙に影響を及ぼそうとしていたことを示すものとして、同社が突き止めた最初の証拠だという。
また、これらの広告は、ロシア政府の支援を受けてFacebookの広告を購入していたのとは別の組織によるものとみられると、Googleの調査に詳しい情報筋は述べており、複数の組織がロシアによる虚偽情報の拡散に関与していた可能性を示唆している。
Googleの広報担当者は9日、次のように述べた。「Googleは、政治的な広告ターゲティングの制限や、人種や宗教に基づくターゲティングの禁止など、広告に関して厳格なポリシーを採用している。当社のシステムを悪用する試みについてより詳細に調べ、研究者や他社との連携の下、現在行われている調査を支援していく」
ソーシャルメディアにおける偽ニュースの存在やロシアによる干渉疑惑は、2016年の米大統領選挙に影を落とした。1年後の現在も、IT企業と米政府は依然として問題の全貌解明に取り組んでいる。
同じシリコンバレーのIT大手であるFacebookに比べると、Googleはこれまで厳しい監視の目を向けられることをおおむね免れてきた。Facebookは10月に、ロシアの支援による3000件超の広告情報を米国議会に提出している。しかし、Googleも議会からの圧力を受け、ロシアの工作員がどの程度ソーシャルメディアを利用し、インターネットプラットフォームで広告を購入していたかを見極めるべく、今回の独自調査に乗り出すことになった。
なお、Facebookがこの問題に与えている影響は、広告だけにとどまらず、ユーザーのニュースフィードに偽ニュースが表示されるところにまで及んでいる。同社の最高セキュリティ責任者(CSO)は先ごろ、自社が使用するアルゴリズムを擁護し、偽ニュースの問題は多くの人が認識しているよりも大規模で複雑だと述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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