また、マーケティング&イノベーション担当として、チーフマーケティングオフィサー(CMO)を新設し、家電メーカーであるアクアの社長兼CEOを務めた伊藤嘉明氏を、執行役員 チーフマーケティングオフィサーとして招聘した。
アクアは、旧三洋電機の冷蔵庫事業や洗濯機事業が中心となり、中国ハイアール傘下で設立された会社で、伊藤氏は、世界一小さい洗濯機とする手のひらサイズの「コトン」や、液晶パネルを搭載した冷蔵庫の「DIGI」、「スター・ウォーズ」シリーズの人気キャラクターである「R2-D2」の原寸大冷蔵庫の発売などで話題を集め、三洋電機時代から15年間赤字だった同事業を、2年で黒字転換した手腕が評価されている。
伊藤氏は、「第二の創業を担うスピード改革、モノづくりだけではないコトづくり、顔が見える企業コミュニケーションの3つが私の役割である」とし、「とくにスピード感が圧倒的に足りない。意思決定の速度を高め、さらに実行することを重視していく」と語る。
ジャパンディスプレイは、もともと日本企業6社の液晶事業が一緒になり、官民ファンドの産業革新機構が出資して設立した経緯がある。
「6つの会社の文化が残っており、それによってしがらみもある。米国企業の圧倒的なスピードを経験し、よそものである私が入ることで、それを変えることができる」とする。
また、「モノづくりに留まらず、コトづくりが、JDIのこれからの新たな方向性」とし、「部品を完成品メーカーに納めるのは、シーズベースであり、ニーズベース。これからはウォンツベースでなにかできないのかを考えていく必要がある。コミュニティを設置するといった取り組みを通じて、パートナーとの連携を強化。これまでのディスプレイメーカーに留まらないコトづくりを進めたい」とする。
家電業界に旋風を巻き起こした伊藤氏が、ジャパンディスプレイにどんな風穴をあけるのかが注目される。
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