NTTレゾナントは9月20日、同社が運営するポータルサイト「goo」が提供する旅行比較サイト「goo旅行」において、AIが対話を通じて利用者の気分を察し、旅選びをサポートするサービスを提供開始すると発表した。
同社によると、同サービスは「goo」を通じて蓄積したインターネットに関わる技術やノウハウとNTTグループのAI関連技術「corevo」の活用に加え、NTTレゾナントが独自に開発した技術である「gooのAI」の取り組みのひとつだという。
同サービスでは、旅行先や日程を決めてから、旅行サイトや旅行代理店で旅行プランを計画していく従来のやり方に対し、旅行先が決まっていない人やなんとなく考えはじめた人に対し、AIが対話を通じて気分を聞き出して旅の提案をする。
具体的には、「今の気分は?」からはじまり、AIが利用者の気分や希望をたずね、利用者は自由に文章を入力もしくは、例示された気分や希望を選択して、気分や希望をAIに伝える。さらに、AIは利用者の回答に応じて、更に利用者を知るために文脈に沿った質問を行う。この対話を繰り返す過程で、AIは利用者のあいまいな今の気分から、旅行の希望や真にやりたいことなどを深堀する。
また、利用者との対話データに加えて、「教えて!goo」「gooブログ」「goo旅行」「goo地図」など位置情報を含めた複数のデータベースをディープラーニング(深層学習)により学習。「教えて!goo」や「gooブログ」が持つ旬なソーシャルの情報をマッチングさせ、具体的な旅行先やプランが提案される。「goo旅行」「goo地図」といった位置情報とも連携しており、周辺の観光スポットや宿泊施設も利用者の希望に沿ったものが提示されるという。
例えば、AIは利用者との対話から「ゆっくりしたい」という気分を読み取った後、「gooブログ」にある「道後温泉に行って、ゆっくりした時間を過ごせた」という口コミや周辺のおすすめスポットのデータを組み合わせて、道後温泉周辺のプランを提案する。なお、気に入るプランが見つかるまで、何度も繰り返し対話することも可能だ。
同社は、独自で開発しているAI技術を強化・発展させている。まず、STEP1として、2016年4月に「教えて!goo」のQAデータをディープラーニングすることで、利用者を理解、共感し回答を自動生成する技術を開発。STEP2として、自然な対話技術を活用し、より人間らしい、キャラクター性をもったコミュニケーションを可能にした。同技術は、2017年7月にドラマの主人公をキャラクター化したAI「AIカホコ」と会話ができるサービスに実装している。
また、同AI技術に、利用者との対話文脈をインタラクティブに理解する技術を追加。利用者と短文の対話を繰り返すことで、対話の文脈から短期的な利用者の「興味/気分」や意図を理解し、利用者の「興味/気分」に合わせ、毎回異なるおすすめのプランを提示することを可能としている。
今後は、旅行に行く前の利用者の行動支援強化だけでなく、実際の予約や旅行中のおすすめスポットの再提案なども検討するという。
さらに同社は、スマートスピーカーや、IoTなどの最新環境において、対話形式で利用者の生活を変革するための日本発のプロジェクト「gSntk(グーエスエヌティーケー)」を進めており、同社が考える世界観について実際のフィールドで検証するため、モニターを募集する。
gSntkは、対話形式を採用し、毎日のニュースや検索などの各種サービスの提供に加え、IoTデバイスと接続することでスマートロックなどの家電制御にも対応。
対話形式で利用者が必要とするタイミングに必要な情報を提供するサービスの実現を目指しており、例えば、応援しているスポーツチームの得点が入った時に、がわざわざ調べなくても得点したことを通知できるような「あうんの呼吸」のサービスを提供する。
また、旅行計画を立てる際にどこに行くかを入力しなくても、利用者の気持ちを汲み取って、最適な旅行プランを対話形式で提案するサービスなども提供するという。
さらには、gSntkプロジェクトを通じて、スマートスピーカーを含めたIoTデバイスと 連携。対話形式で家電などを操作できるようにして検証する。
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