マイクロソフト、スパイウェア「FinSpy」拡散に悪用されていた脆弱性に対処

Zack Whittaker (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2017年09月13日 11時16分

 Microsoftは米国時間9月12日、「.NET Framework」に存在していたあるセキュリティ脆弱性に対処したと発表した。FireEyeの研究者らによると、この脆弱性は、ロシア語を話すユーザーをターゲットとするスパイウェアを拡散させるために実際に悪用されているという。

 この、今まで公開されていなかった脆弱性を発見したFireEyeの研究者らは12日のブログ投稿で、同マルウェアは「Microsoft Office」のRTF(Rich Text Format)ドキュメントの形態をとっており、いったん開かれると悪意のあるコードを注入、実行すると述べている。

 このコードは最終的に、Gamma Groupが販売しているスパイウェアである「FinSpy」を実行するという。ドイツに拠点を置くGamma Groupは、監視やスパイ行為のための、合法的な盗聴活動を実施する企業だ。

 Gamma Groupの顧客は国家お抱えのハッカーらがほとんどだ。そして同社は、MicrosoftやAppleといった大手企業の製品のセキュリティを打ち負かすために、ほとんど常にと言っていいほどのいたちごっこを繰り広げている。

 WikiLeaksは2014年、抑圧的な体制を敷いている国家を含む、複数の大国が「FinFisher」監視スイートの顧客リストに挙がっていたことを暴露した。

 FireEyeによると、今回のマルウェア攻撃の犯人は明らかになっていないが、その背後には国家がいる可能性が高く、過去の攻撃は7月にまでさかのぼれるという。この点から脆弱性は最近発見されたものであることが示唆されている。

 Genwei Jiang氏とBen Read氏、Tom Bennett氏によって記された同投稿によると、「これらの攻撃を見ると、『合法的な傍受』を手がける企業やその顧客には潤沢なリソースがあることが分かる」という。

 Microsoftはセキュリティ広報ページにおいて、この脆弱性を「重要」と位置付けており、同社のサーバOSを含む、現在サポートしている「Windows」の全バージョンに影響が及んでいることを認めている。

 なお同社は、この他にも81件の脆弱性を月例セキュリティパッチで修正した。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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