「Amazonによる小売業界破壊」というネタは、おかしいくらいに過熱している。Home Depotは好調な2017年度第2四半期の業績を発表したが、電話会議はAmazonがSearsの「Kenmore」ブランドの家電を販売することと、複数のカテゴリと検索キーワードでの価格競争についての懸念を静めることに費やされた。
オチはこうだ。Home Depotの第2四半期の存続店売上高は6.3%増(前年同期比)だった。つまり、競合の小売業者が店を畳み、徐々に消えていく中で、Home Depotは驚くほど堅調な結果を出したのだ。Home Depotの電話会議の書き起こしを読むと、アナリストがあまりにもAmazonを気にしていて、こっけいなくらいだ。
Home Depotの現CEO、Craig Menear氏は同社のデジタル化について次のように説明した。
われわれの事業のもう1つの成長エンジンは、(オンラインと実店舗が)相互連携する小売りへの注力だ。当社のオンラインビジネスは総売上高の6.4%を占め、同四半期に23%成長した。デジタル部門はコンテンツとモバイル体験向上に出資を続けており、オンラインサービスの問題点を改善している。運用部門は実店舗での体験の改善に注力している。その結果が、両プラットフォームでの売り上げと顧客満足度の継続的な成長につながっている。これが相互連携型小売りの力だ。
非常に多様なカテゴリで買い物体験はオンラインで始まり、最終的には実店舗で終わることも、オンライン上で終わることもある。買い物体験はこのように混合されており、顧客にとっての当社の入り口は、多くの商品カテゴリで当社の実店舗の入り口ではなくなっている。顧客はオンライン上で商品を検討し始め、リサーチをする。そして多くの場合、特に高額商品を購入する際は、顧客は実店舗に来て、購入前にわれわれのアソシエーツ(店員)と相談することを望む。だが、われわれは高額商品も実店舗とオンラインの両方で販売している。
11月末から開催されるAWSの開発者会議「AWS re:Invent 2017」では、AIについて多くが割かれることは確実だろう。Googleは自社のクラウドサービス上のAIを主張した。そして、Microsoftは自社の位置付けをAIクラウド企業にシフトさせている。
米ZDNetのMary Jo Foley記者は、以下のように報じている。
Microsoftは8月22日、リアルタイム人工知能(AI)を実現する「Project BrainWave」をあらためて披露した。BrainWaveはディープラーニングのアクセラレーションプラットフォームだ。
AWSとGoogleは既にAIタスク向けプロセッサを持っている。
こうしたAI関連の発表が、AWSの開発者会議が近づくにつれ増えてきている。最終的に企業は複数のAI技術を持つことになるだろうが、クラウド戦争は近い将来、ディープラーニングとニューラルネットワークを中心に展開されるだろう。AmazonはAI市場も混乱させるだろうが、この市場は大規模だ。
そして、このAIクラウド戦争は業界ごとに展開されるだろう。Microsoftは資源開発企業のHalliburtonとの、クラウドおよびデジタル移行に関する戦略的提携を発表した。HalliburtonはMicrosoftの機械学習、IoT、拡張現実(AR)などの技術を活用することになる。
Amazonは「TenMarks Writing」を立ち上げた。これは、学生の作文技術向上のための、指導者、教師向けリソース、ツールなども含めた教育サービスだ。数学用の「TenMarks Math」も既に提供されている。
次に何が起きるかもう予測できるだろう。教育関連のすべての企業が、Amazonとそのデジタル教育戦略対策を強いられるのだ。時が熟したら、Amazonがいかにして教師や学校に取って代わるかについて話そう。Amazonはもしかしたら、からっぽになった小売店のスペースを使うのかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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