ブランド復活を懸ける「Nokia 8」、戦略はライブストリーミング機能 - (page 2)

Katie Collins (CNET News) 翻訳校正: 編集部2017年08月21日 07時30分

万人が使えるスマートフォン

 だが、Nokia 8にはミレニアル世代を含むすべてのパワーユーザーを説得できるだけの、そして「iPhone」やサムスンの「Galaxy S8」から乗り換えさせるほどの長所があるだろうか?

 CCS Insightのマーケティングリサーチャー、Ben Wood氏は、スマートフォンにおけるソーシャルメディアの重要性を考えると、「Dual-Sight」のような機能を搭載し、他の機能も保っていることには意味があると語った。

 同氏はインタビューで「この機能が他の潜在顧客層を遠ざけるリスクはまったくないと思う。Nokiaブランドのコア属性が、Nokia 8が幅広い顧客層から評価されることを保証する」と語った。

 このデバイスには、Instagramのライブ動画やSnapchatの中毒ユーザーでなくても気に入る機能が多数ある。

 Nokiaが2月にスペインのバルセロナで開催されたMobile World Congressでモバイル市場への復帰を発表した際、筆者はNokiaファンやアーリーアダプターの心に再点火するようなフラグシップデバイスが欠けていることを嘆いた。半年後の今、それがついに登場した。Nokia 8は、2017年のNokiaのスマートフォンのすべてを表現する、高性能なハイエンドスマートフォンだ。

 これまでの情報によると、同デバイスは全体的にシンプルで堅固だ。伝統的なデザインで、純粋なAndroidを搭載するが、競合と一線を画すために注意深く考え抜かれた最小限の工夫や装飾が施されている。

 それはカメラ機能だけではない。本体カラーの光沢のある銅色と青は、黒やグレーばかりのスマートフォンの中で目立つ。そして、家庭用品店に最近行ったことがあれば気付いたと思うが、2017年の流行色は銅色だ。

 かといって、Nokia 8は流行に敏感な人だけのものではない。マットなグレーと青もあり、これらの色ならどんな人も使いやすいだろう。


Polished Blue(左下)、Steel(左上)、Polished Copper(中央)、Tempered Blue(右下)の全4色。
提供:HMD Global

 HMDの社長兼最高経営責任者(CEO)代理を務めるFlorian Seiche氏は「Nokia 8は仕事用デバイスとしても使いやすいが、その機能は主にクリエイターを想定して設計した」と語った。

価格設定は適切か?

 Nokia 8を購入者から遠ざける可能性のある問題は、Nokia 8を購入者から遠ざける可能性のある問題は、599ユーロ(本記事執筆時点で約7万7000円)という価格である。CCS InsightのWood氏によると、スペックの高さが価格を正当化しており、市場におけるハイエンドデバイスを出すことはNokiaブランドにとって重要なステップなのだという。

 Wood氏は「Appleとサムスンによる市場寡占状態を切り崩すのが難しいことは明らかだが、Nokia 8は正しい方向への確実な一歩だ」と語った。

 実際、サムスンとAppleによるプレミアムスマートフォン市場の寡占状態を打破しようと挑戦し、失敗した競合がスマートフォン市場には多数あった。

 だが、Nokiaの認知度が助けになるだろうとWood氏は言う。HMDはNokiaのフラグシップスマートフォンの登場を高らかに喧伝しなければならないだろう。だがそうすれば、(Huaweiのような競合がいまだに獲得できていない)ブランド認知が奏功し、消費者はNokia 8をじっくり検討することになるだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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