クラウドストレージを提供するBoxは米国時間8月17日、ユーザーが画像ファイルを管理したり、そこから洞察を得たりするのを支援するために、「Google Cloud Vision API」を活用すると発表した。
この機能は、現時点ではプライベートベータ版として入手できる。Boxを利用している企業はこれを使って、画像内にあるオブジェクトやコンセプトを認識し、文字を光学文字認識(OCR)で識別、さらに画像にキーワードラベルを追加して検索やフィルタリングを高速化する。最終的には画像を中心とするプロセスやワークフローのスピードアップにもつながるだろう。
Boxが画像認識技術を取り入れ始めたのには2つの理由があると、同社の最高経営責任者(CEO)Aaron Levie氏は米ZDNetに語った。Levie氏によると、1つは、機械学習分野の技術が「特に画像に関する部分で、きわめて優秀であること」だ。
さらにLevie氏は、Boxのプラットフォーム上に保存されているファイルタイプのうち、画像が2番目に多いことを指摘した。
同氏は、「企業の使用事例において、画像コンテンツの生成が大幅に増えつつある」として、スマートフォンの普及により、小売店、工事現場、保険業界をはじめとして、あらゆる分野で現場の従業員が画像ベースのファイルを作れるようになったと指摘している。また、画像ファイルを用いた管理業務の使用事例も、コラボレーション(たとえば会議でのホワイトボードの板書を写真で保存)、身元調査、経費報告書の提出、在庫管理など、多岐にわたっている。
Boxのユーザーは、当面はGoogleの画像認識能力の範囲内で作業ができることになる。だが、Levie氏は、将来的にはカスタマイズを可能にし、ユーザーが特定のデータセットに関して、徐々にシステムを訓練できるようにしたいと述べた。
この機能を導入するためにBoxがGoogleと手を結んだのは、「GoogleのAPIの成熟度が、この領域では驚くべき水準にあり」、Boxのニーズに十分に応えてくれるからだという。
「この提携により、他のパートナーと協力する可能性が排除されるわけではない。われわれは何とかしてこれを市場に提供したかった。そして、これに取り組み始めた時点で、この種のAPIでは最も進んでいたのがGoogleだった」(Levie氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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