Hewlett Packard Enterprise(HPE)とNASAは、スーパーコンピューティングテクノロジが国際宇宙ステーション(ISS)でどれだけ効果的に機能するのかを調べるテストを行う。米国時間8月14日に発射予定のSpaceXのロケットには、「Spaceborne Computer」と呼ばれるマシンが搭載される。その目的は、地球低軌道に到達する太陽や銀河からの放射線が引き起こすエラーを検出し、修正することである。HPEは11日、この研究を発表した。
最終的に、この研究は地球上のコンピュータの性能を向上させることだけでなく、人類を火星に到達させることも可能にするかもしれない。
HPEのSGI事業部門の北南米担当技術責任者であるMark Fernandez氏は、「火星の宇宙飛行士は、地球低軌道にいる宇宙飛行士のようにハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)にほぼ瞬時にアクセスすることはできない。地球と火星は往復26光分の距離だ」と述べた。スーパーコンピュータは、宇宙船や火星の基地でシステム障害が発生した際にとるべき行動を判断する、といったタスクに利用可能だ。
Spaceborne Computerは、地球上の巨大なスーパーコンピュータとは全く異なるものだ(これらのスーパーコンピュータは、バスケットボールコートと同サイズの部屋を複数占拠して、地球の天候のシミュレーションなど、複雑な問題に取り組む)。しかし、Spaceborne ComputerはIntelのプロセッサや高速インターコネクトなど、地球上のスーパーコンピュータと同様の基礎技術を使って、システムの独立コンピューティングノード同士を接続する。
今回のケースでは、Spaceborne Computerは56Gbpsの光学インターコネクトを使用して、さまざまなノード同士を接続する。
同マシンの水冷システムは宇宙空間まで延びて、マシンの過熱を防止することができる。
Spaceborne Computerにとっての課題は、宇宙線の影響下でそれら全てを正常に動作させることだ。
ハードウェアに変更を施す代わりに、同コンピュータはソフトウェア層を使って、検出や修正、保護を行う、とFernandez氏は述べた。「1年間、正しい結果を得られれば、成功と言えるだろう」
そうした信頼性は、地球上にいる私たちにも利益となる可能性がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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