KDDIは8月3日、コーポレート・ベンチャー・ファンド「KDDI Open Innovation Fund」を通じて、自由視点映像技術を活用したソリューション「4D REPLAY」を開発・販売する4D REPLAYへ出資したと発表した。出資額は非公開。
4D REPLAYは、アレー状に設置されたカメラを使って撮影した映像により、ある時間を切り取って、さまざまなカメラアングルで映像を再生できる技術。カメラの遠隔制御技術と時間制御機能、早い映像処理のための最新アルゴリズムを組み合わせて、5秒以内に多角度カメラから映像を収集、再編集できることが特徴だ。
4D REPLAYは、短い処理時間で映像を生成できることを強みに、これまでスポーツなどのライブ中継で高品質な自由視点映像を提供してきた。今後は、スマートフォンやタブレットといったパーソナルデバイス上で、利用者の任意の視点でライブ中継映像の鑑賞を可能にするという。
KDDIでは今回の出資を通じて、法人顧客の開拓に加えて、コンシューマー向けのサービス開発をサポート。今後もKDDIの研究開発と4D REPLAY技術の進化を重ね、さまざまな利用シーンやニーズに応えられるコンテンツ制作技術の早期確立を図るとしている。さらに、この成果をもとに、5Gなど次世代ネットワーク向けの新たな価値体験の提供に取り組むという。
国内の4D REPLAYを活用した実証実験の初事例として、8月5~6日の2日間に札幌ドームで行われる北海道日本ハムファイターズ対オリックス・バファローズの映像を撮影する。撮影した映像は、同球場の大型ビジョンやCS放送「GAORA」にリアルタイムで放映。後日、運動通信社が運営するスポーツインターネットメディア「SPORTS BULL」で、アーカイブ映像として放映する。
カメラは、札幌ドームの一、三塁ダッグアウト上からホームプレート後方のフェンスに沿って100台設置され、打者がボールを捉える瞬間、投手が投球時にボールをリリースする瞬間などをリアルタイムに複数の角度から見ることが可能。臨場感あふれ、高品質な自由視点リプレイ映像を視聴者は楽しめるという。
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