もちろん、時間を気にせず話したり、騒いだりできるだけではない。生活感がないお洒落なリア充写真が撮影できる点も、ラブホ女子会が受けている大きなポイントだ。多くのラブホ女子会画像が投稿されているので、ぜひハッシュタグ検索をしてみてほしい。ハート型のたくさんの風船の中で笑う女の子たち、薔薇の花びらが並ぶベッドの上のきれいにメイクした女の子たちなど、キラキラしたリア充投稿が多数見つかるだろう。風船や花、スイーツなどが定番アイテムだ。前述したように、おそろいのパジャマやルームウェアが仲良し感も醸し出している。
撮影用アイテムを持参して撮影するのは当たり前だ。たとえば、「お風呂から出たら風船だらけだった!」という投稿に「風船があるラブホテルがあるの?」というコメントがついていた。それに対して、「◯◯ちゃんと☓☓ちゃんが一生懸命ふくらましてた(笑)」という返事がついていたのを見ると、風船も写真撮影用に自分たちで用意したということになる。中には、吹き出しになっているプロップスを用意して撮影している子たちもいた。
誕生日会と称してラブホ女子会を開く場合も少なくない。主役がプレゼントに囲まれており、背景には「HAPPY BIRTHDAY」「21」「20」などのバルーンが写り込んでいる。「HAPPY BIRTHDAY ◯◯ちゃん」とチョコで書かれたケーキなどと共に撮った写真が投稿されているケースも多い。バルーンは完全に持ち込みであり、撮影用アイテムと考えていいだろう。
実際にラブホ女子会をやったことがあるという女子大生に聞いたところ、このようなことを言っていた。「ラブホ女子会は楽しくて仲良くなれるし、いい思い出になる。何でも話せてすっきりするし、インスタ用の写真も撮れるから最高。女子会プランがあったら一人数千円で楽しめるからコスパもいい」。
「入り口で見知らぬカップルとすれ違って気まずかった」「新しくできた彼氏にラブホテルに慣れていると思われて微妙だった」などの声もあったが、逆に言えばラブホ女子会のマイナス点は彼女たちにとってはそのくらいのもの。今時女子大生は、コストパフォーマンスよく楽しめて、おまけにSNSコンテンツにもなる一挙両得のイベントが好きなようだ。今時女子の感覚を知るヒントが多数ちりばめられているので、若い子たちを理解する参考にしていただければ幸いだ。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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