Appleが「iPhone」で普及を目指す拡張現実(AR)は、スマートフォンの画面上で動作し、カメラを使って現実世界の映像にキャラクターを投影するというものだ。しかし、AR専用のヘッドセットという選択肢もあり、この機器を使うことでARの世界が眼前で実現する。このほど発表されたヘッドセットは、大方の予想より低価格だ。
Miraが2017年中に発売予定の「Prism」は、ヘッドバンドで頭部に固定するシンプルなバイザーだ。iPhoneを使って目の前に3Dイメージを投影でき、99ドルで先行予約を受け付けている。
Prismは、洒落た巨大なサンバイザーか未来的な溶接工用マスクのような外見で、筆者の頭には簡単にフィットした。小さなリモコンを操作し、机の近くを浮遊しているアニメ風の惑星を選択できる。
眼前でホログラムを浮遊させるには、通常、ハイエンドのスマートグラスや、「Microsoft HoloLens」などのヘッドセットが必要だ。筆者がPrismを使ってみたところでは、HoloLensや、Appleの新しい「ARKit」に関してすでに公開されているデモほど驚くものではなかった(ARKitは、iPhoneの画面上で驚くほど優れたARを実現できるAppleのツールセットだ)。しかし、多くの人がARを利用できるようになる低価格のアクセサリとしてはどうだろう? その役割は見込めそうだ。
ロサンゼルスに拠点を置くMiraは、Ben Taft氏、Matt Stern氏、Montana Reed氏が共同で設立した企業だ。3人とも、南カリフォルニア大学のプログラム「Jimmy Iovine and Andre Young Academy for Arts, Technology and the Business of Innovation」の学生だった。Miraはすでに、will.i.amやSalesforce.comの最高経営責任者(CEO)を務めるMarc Benioff氏などから出資を受けている。
Prismの伸縮素材を使ったヘッドバンドには、額の前にiPhoneをはめ込む部分がある。大きなミラー状のバイザーがiPhoneの立体イメージを反射させ、そのイメージを浮遊する3D(ただし仮想の)オブジェクトに変換する仕組みだ。
Miraは、ゲームおよびエンターテインメント系アプリの用途だけでなく、何らかのエンターテインメント企業との提携も計画している。ちなみにDisneyは、すでにLenovoと共同で独自のARおよび複合現実(MR)ヘッドセットを開発している。
Prismは「ホリデーシーズンに間に合うように」発売される予定で、2017年秋には開発者向けにリリースされる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果