HMDなしで「8K:VR ライド」--NHKエンタープライズらが日本初公開

 NHKエンタープライズ、NHKメディアテクノロジー、レコチョク、WONDER VISION TECHNO LABORATORYは、ヘッドマウントディスプレイを装着せず、8K VRが体験できるライド型の「8K VR Ride featuring“Tokyo Victory”」を関係者向けに公開した。半球体のスクリーンに映し出される大画面映像と動きのあるライドとともに、没入感のある8K:VR ライドを体感できる。


「8K VR Ride featuring“Tokyo Victory”」

半球形型のスクリーンと、8Kプロジェクタ、モーションライドなどから構成される

 8K:VR ライドは、3月に米国で開催した、クリエイティブビジネスの見本市「SXSW 2017」に出展したもの。日本での公開は今回が初めてになる。

 高さ3.4m×幅5.2m×奥行き2.6mの半球形型のスクリーンと、8Kプロジェクタ、モーションライドから構成され、映像に合わせて椅子が上下左右、斜めなど動くことで、映像の中を駆け抜けるような、飛んでいるような感覚を味わえる。

 コンテンツは渋谷のスクランブル交差点や浅草寺前、スカイツリーなど、日本の観光名所を中心に街の実写とCGを組み合わせており、2020年に向かう様子を時空移動しながら、体験できるという内容。楽曲にはサザンオールスターズの「東京VICTORY」を採用した。時間は5分程度になる。

 8Kカメラ1台で撮影され、撮影した映像をJVCケンウッドの8Kプロジェクタ「DLA-VS4800」で再生。再生した映像を、曲面鏡に反射させることで、曲面状のスクリーンに投影。シンプルな形で曲面投射を実現している。

 ライドのシステムは分解ができ、移動も可能。今回のシステムは4トントラックで運搬し、組立には約4時間を要したという。

 NHKエンタープライズとNHKメディアテクノロジーは、「SXSW 2016」で次世代テレビ放送規格「8K スーパーハイビジョン」に3D映像技術を組み合わせた「8K+3D+22.2ch」による、8K:VR作品を共同制作して出展。今回はその進化版になる。

 NHKエンタープライズとNHKメディアテクノロジーのコンセプトに、VRコンテンツの研究開発などを手掛けるレコチョクの研究・開発機関であるレコチョク・ラボが関心を持ちプロジェクトに参加。映像システムを開発するWONDER VISION TECHNO LABORATORYと4社でコンテンツを共同開発した。今後は10月27~29日に行われる「DIGITAL CONTENT EXPO 2017」で一般公開する。

  • JVCケンウッドの8Kプロジェクタ「DLA-VS4800」で再生した映像を、曲面鏡に反射させることで、曲面状のスクリーンに投影する

  • モーションライド部

  • 背面は球形をしている

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