LINEは6月15日、同社が1年に一度開催する大規模カンファレンス「LINE CONFERENCE 2017」において、ショッピングサービス「LINE ショッピング」を同日に開始したことを発表。また、フードデリバリーサービス「LINE デリマ」を夏から提供することを明らかにした。
同社は、2013年12月にCtoCフリマアプリ「LINE MALL」を開始したが、約2年半でサービスを終了。その後、「LINEフラッシュセール」や「LINEトリップバザール」などのECサービスも終了している。また、2014年11月にフードデリバリーサービス「LINE WOW」を開始したが、わずか1年でサービスを終了していた。同社では新サービスによって、ECとフードデリバリー領域に再挑戦する。
LINE ショッピングは、ユーザーと各ブランドのECサイトをつなぐ“入り口”になるプラットフォーム。LINE ショッピング内にカートや決済機能などは持っておらず、ユーザーが商品を選ぶと取り扱っているブランドのオンラインショップへ遷移する。LINEアプリから直接、LINE ショッピングにアクセスできるため、外部アプリの追加インストールは不要だ。
当初はDHCやナイキ、LoFt(ロフト)など100を超える企業やブランドのファッションや雑貨、家電、インテリア、コスメなどの商品を取りそろえる。LINEショッピングを経由して買い物をするだけで購入金額の最大20%のLINEポイントを受け取ることができる。貯まったポイントは、「LINE Pay」やスタンプ購入などに使える「LINEコイン」と交換することが可能。
同日のカンファレンスで登壇したLINE 執行役員 O2O事業担当の藤井英雄氏は、「LINEが抱える6800万人のユーザー基盤を利用して、多くの新規ユーザーを各ブランドのオンラインショップに誘導できる。各ブランドは自社サイトで購入してもらえるため、顧客データを蓄積でき、公式アカウントの友だちも増えることで、さらなるマーケティング活動に利用できる」と説明。
また、2016年12月から2017年5月までトライアル提供したところ、送客したユーザーによるコンバージョン率が22.8%と非常に高かったとするデータもあわせて紹介。プラットフォームとして送客するだけでなく、実際の購入にもつながるサービスだとアピールした。まずはオンラインでの連携となるが、2018年には実店舗(オフライン)との連携も進める予定。2018年度は流通総額1000億円を目指すとしている。
同日には、フードデリバリーサービス「LINEデリマ」を夏に提供する予定であることも発表された。LINEが2016年に出資した宅配ポータルサイト「出前館」が掲載する、ケンタッキー・フライド・チキンやピザーラ、銀のさら、ジョナサン、かつやなど、1万5000店舗の料理を、位置情報やカテゴリから選んで注文できるようにする。
出前館は新聞販売店「ASA」(朝日新聞販売所)と配達代行事業を展開しており、ASAの配達員がLINEデリマで注文された料理を届ける。また、将来的には生鮮食品や日用品、さらには医薬品なども注文できるようにするほか、オンラインで注文して実店舗で受け取るといったことも可能にする予定だという。
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