米連邦捜査局(FBI)元長官のJames Comey氏は、2016年の米大統領選挙期間中にロシアのハッカーが「数百件」の攻撃を実行したことを認めた。
Comey氏は米国時間6月8日の上院情報委員会での証言で、ロシアのハッカーが大統領選の結果に影響を及ぼそうとしたのは「疑いない」と語った。
それ以来、選挙当日までに「数百件」のサイバー攻撃があったとComey氏は述べている。「千件を超えていた可能性もあると思うが、最低でも数百件はあった」(同氏)
同氏は大統領選への干渉について、Donald Trump氏が出馬を表明した前後の2015年半ばには始まっていたことを認めた。
「行政機関と、非営利団体のような非政府機関を標的とする大規模な攻撃があった」とComey氏は公聴会で述べた。攻撃の一部は、民主党全国委員会の運動も対象としており、ハッカーは、Hillary Clinton氏の選挙運動に関わる上級幹部に対してスピアフィッシング攻撃を仕掛けて成功し、「WikiLeaks」を通じて機密のメールやファイルを公開した。
Comey氏は、ロシア政府が民主党全国委員会への攻撃に関与していたことを「疑っていない」と語った。だが、攻撃後に民主党全国委員会のハードウェアをFBIが直接捜査することはなかったという(CrowdStrikeと思われるサードパーティーのセキュリティ企業が、科学捜査を行ったとも言われている)。
民主党全国委員会へのハッキングの他にも、米国の標的に対して多くの攻撃が行われた。標的の中には、選挙のインフラストラクチャを手がけたVR Systemsも含まれる。この情報は、先ごろリークされた米国家安全保障局(NSA)の最高機密文書によって、裏付けられた。
投票への介入の試みはあったものの、Comey氏はロシアのハッキング活動やサイバー攻撃が投票結果を直接操作したり変更したりした「証拠はない」との見解を繰り返した。
Comey氏は5月、FBIがトランプ大統領の側近やロシアとのつながりを調査していたさなかに、トランプ大統領によってFBI長官職を解任された。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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