「スター・ウォーズ」にも参加したVFXマスターが語る、動画が上達するためのヒント - (page 3)

クールな映像を作るには「人と違うユニークなものを作ること」

――これからクレイマー氏のような映像を作りたいユーザーに対して、クールな映像を作るためのヒントを教えてもらえますか。

 数は少なくても良いので、人と違うユニークなものを作るように心がけるべきです。例えば、デモリール(自分のスキルを示すための映像集)を頼まれたとします。3カ月与えられたとして何をするべきでしょうか。それは、1つの映像に集中して素晴らしいものを作り上げれば良いのです。でも、アマチュアっぽい作品ではあなたの評価にはつながりません。最低なものがあれば、それがあなたの評価になってしまいます。1つの作品を見ただけでクリエーターとしての評価が決まってしまうのです。

 プロデューサーの仕事はそれを毎日見ることです。1つでも粗悪なものがあればそれで終わりで、1つでも光るものがあれば選ばれるのです。

――After Effectsはなかなか敷居の高いソフトですが、どのように使いこなしていけば良いのでしょうか。

 After Effectsを立ち上げると最初は圧倒されるかも知れませんが、すべてを扱う必要は無く、タイトルだけ良くするなど、1つクールなことに集中すれば良いのです。そこから一つ一つ進んでいくのです。さまざまなことをやり始めると並行して改善されます。モーショングラフィックスを学ぶことでビジュアルエフェクトもうまくなるでしょう。

 チャレンジだらけかもしれませんが、それを克服することでデザイナーやアニメーターとしても腕を上げていくことができます。再生できる“何か”を作るのが大事で、一つ一つ足し算しながらスキルを獲得していけば良いのです。

――ベストプラクティスはどういったものでしょうか。初めはタイトルを制作する方が良いのでしょうか。

 チュートリアルを探してみて、気に入ったものを使ってみましょう。そして、すでにフッテージとして存在するものではなく、新たにシーンを撮影してエフェクトを入れると良いでしょう。そうすると、必然とチャレンジしますよね。オブジェクトの角度やカメラの動きもチュートリアルとは異なります。習ったことと現実の間にスキルの壁が生まれ、クリエーターとしてそのギャップを埋める必要が出てきます。

 いろいろなチュートリアルを見ることも大事です。「このトリックはほかにも当てはめられるのでは?」と考えることで、総合的にスキルセットが蓄積されます。もちろん、やっていることに興味が無いと続きませんので、自分がやりたいことを見つけましょう。それを解決するように務めるのです。

 私の最近のチャレンジは、After Effectsにビルトインされているプラグインだけで映像を作ることです。わざと自分を逆境に置くことが大事なのです。強力なプラグインがあれば、パフォーマンスは改善します。ですが、基本的なツールを勉強することで問題解決のスキルが高まりますし、基礎的なスキルを持っておけば、「パワフルなプラグインを使ったら、もっとこんなことができる」と、さらに高度なものが作れるようになるのです。

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