スマホを使って鍵が開き、「ただいま」と声をかけると灯りがつく。出掛けには午後からの雨に備え、傘を持っていくようにアラートを出してくれる――そんな便利な暮らしをIoT機器を導入することですでに体験している人たちがいる。2016年12月に新居に引っ越しした日高(漢字ははしご高)さんもその1人だ。「当初はIoTって何?という感じだった」という日高さんに導入のきっかけから、日々の暮らしまでを聞いた。
日高さんが暮らすのは、築37年のマンションだ。2016年の購入時にリノベーションを実施。3DKだった間取りを1LDKに変更し、その際にIoT機器を取り入れてスマートハウスにした。
使用しているのは、スマートキーの「Qrio」、コミュニケーションロボットの「BOCCO」、IoT照明の「Hue」、ロボット掃除機の「ルンバ」。それらをリノベるが提供する統括アプリ「Connectly App」からコントロールしている。
自宅の購入を考えていた日高さんがスマートハウスを意識したのは、リノベるが実施したセミナーがきっかけ。「新築、中古の購入、リノベーションなど、さまざまなタイプの家の購入を検討していた時、軽い気持ちでセミナーに参加した」のだという。
リノベるのショールームで開催されたセミナーでは、IoT機器に実際に触れ、話を聞くことで興味が深まったとのこと。「IoTって何? スマートハウスって省エネのこと? 程度の知識しかなかったが、話を聞いたらワクワクしてきた。“新しもの好き”という元来の性格も手伝い、入れられるのであればやってみたいと思うようになった」という。
その後、物件の紹介、内見、リノベーションの打ち合わせなどを経て、引っ越しまでの期間は約半年。「トントン拍子に話しが進み、リノベーションの期間も約3カ月半程度。年内に引っ越しがしたいという願いがかなった」と、スピード感あるスケジュールでことが進んだ。
不安だったのは費用のこと。「リノベーションの打ち合わせを重ねるうちに、どうしても予算は嵩んでしまう。その中でIoT機器の導入するとなると、気になるのはその金額。しかし機器一つ一つの金額と内容を理解するうちに、リノベーションの段階で取り入れておけば、後々は便利に使えることがわかってきた。リノベーションの一部と割り切って考えるとそれほど不安もなく、ランニングコストも気にならない程度。Hueのようにあとから足せる点もよかった」という導入の背景を話す。
住み始めて半年。IoT機器は、日々の暮らしに欠かせない存在になってきたという。引っ越し当初は、リビングにのみHueを配置していたが、今ではキッチンやダイニングなどにも買い足して導入。最近ではiPhoneのSiriを使った音声入力で操作をしている。「おはようと声をかけると灯りがつき、おやすみと話しかけるとすべての照明が連動して消灯。消し忘れがなくなる」。一方、Hue Tapスイッチ(Hueをコントロールするワイヤレススマートスイッチ)も合わせて活用している。外出時に玄関に置くことで、帰ってきてすぐに手にとり、電気をつけられる。「暗い部屋でスイッチを探すストレスがなくなる」のだという。
そのほかにも、ルンバは曜日予約をして外出時に掃除が完了。スマートフォンをなくしてしまった時に、BOCCOを通じて外出先の家族と連絡を取れたこともあったという。
ここまで生活に浸透している理由を聞くと日高さんは「多分、どれか1つを導入してもあまりメリットを感じられなくて、ここまで複数の機器を連携して入れられたことが使い続けている理由。一括コントロールできることが便利さにつながっている」という。引っ越し後の大きな変化として、照明のスイッチを使うことがなくなったと話すほど、IoT機器の使用頻度は高い。
日高邸では、リノベーション時に各機器の配線やWi-Fiルータなどの収納場所を確保。各種配線をまとめることで、見た目もスッキリ見えるほか、自宅の隅々までWi-Fiが届くよう設計しているという。
今後は、飼っている猫の見守りやエアコンの温度設定を遠隔で行うなどのIoT機器を取入れていきたいという。「今の段階で100点の満足度だが、これからもっとやりたいことは出てくると思う。IoT機器も続々登場してくるし、問題は導入する機器の選択とそのタイミング。テレビやエアコン、オーディオと複数に渡っているリモコンもなんとかまとめたい」と今後の導入にも積極的だ。
導入したら終了ではなく、生活スタイルに合わせて便利なものを選び、変えていけるIoT機器。ただ数が多いからこそ何を使えばいいのかわからなくなることも事実。日高さんは「リノベるを選んだ理由は、こうしたい、やってみたいというこちらの意見を聞いて、提案してくれるところ。相談しやすい環境が整っていたのがうれしい。今後の機器導入にも相談しながら取り組んでいきたい」と話した。
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