中古マンションのリノベーションサービス「リノベる。」を運営するリノベるは9月3日、2016年に開始する予定のスマートハウス事業の構想を説明した。同社がスマートハウスで実現したいことは、(1)生活のスマート化、(2)煩雑な書類の管理、(3)困った時はプロに相談できる、の3つだ。
まず「生活のスマート化」については、家具や建具をすべてインターネットにつなぐことで、人間が操作しなくても快適な空間を保ってくれる状況にする。また、端末に搭載されたセンサによって住民が気づかない異常を検知できるようにする。さらにインターネット経由で次々と新しい機能が追加されていくというものだ。
「煩雑な書類の管理」は、自宅で埋もれてしまいがちな重要書類がまとまっていること、導入した設備の型番や仕様を検索できること、リノベーションする前の写真や図面を確認できることなどだ。「困った時はプロに相談できる」は、その名の通り家にまつわる故障の際に気軽に相談できたり、各種センサによって故障する前に自前に通知することなどだ。
同社では現在、これら3つをすべて実現できるスマートフォンアプリを開発中だという。同日のデモでは、部屋ごとに接続されたIoT機器を制御する様子が披露された。個別にオンオフなどの操作もできるが、「旅行」「目覚まし」などシーン別に設定して、自宅の機器を一括制御することも可能。さらに、重要書類やリノベーション前の写真もアプリから確認できる。困ったときにはすぐにオペレーターにチャットで相談できる機能も備えるとしている。
リノベるは、さまざまな端末が集結するスマートハウスショールーム「Connectly Lab.(コネクトリーラボ)」を、9月8日に渋谷(渋谷区渋谷3丁目10-13 TOKYU REIT渋谷Rビル B1F)にオープンする。IoT機器を始めとする端末を持ち込んだり、すでにショールームに導入されている端末の試用やAPIを利用したアプリ開発などが可能。当初は13種類の端末を揃える。
ユカイ工学と連携し、Connectly Lab.においてコミュニケーションロボット「BOCCO(ボッコ)」のAPIを利用したアプリ開発を、9月8日から開始することも発表された。これまで、住宅での音声による通知機能は、給湯器などあらかじめ決まった音声を再生する場合に限られていたが、BOCCOのAPIを利用することで、状況に応じた音声を再生できるとしている。たとえば、ニュースや天気予報、家族の帰宅予想時間などを相手に伝えることができる。
BOCCOは、Linux OSを搭載しており本体アプリをカスタマイズできるほか、API経由でさまざまなサービスと連携できる。これにより、スマートフォンに代わるIoT端末へのアクセスの窓口としても利用できる。スマートハウスショールームでは、実際にBOCCOが住宅の中で、IoT端末やウェブサービスと人とをつなぐアプリを用意し、より実生活に近い形でのユーザーニーズの検証を可能にするとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス