大和ハウス工業と東京電力グループのファミリーネット・ジャパン(FNJ)は、高圧一括受電サービスを導入するマンションを対象に、各戸のエコキュートの稼働時間を、IoT技術を用い、遠隔操作にて最適に制御するサービスを共同開発すると発表した。
これは生活リズムが類似する居住世帯をグルーピングし、グループごとのエコキュートの稼働時間が分散されるよう制御するもの。マンション全体の電力負荷の平準化を実現する。
オール電化を採用している一般家庭の電力使用量において、エコキュートが占める割合は平均25%に上るという。エコキュートは世帯ごとでは省エネルギー性能や省コスト性を持ち合わせているが、マンション全体としては、電気料金の安い夜間に多くの世帯のエコキュートが稼働するため、深夜の電力使用量が一時的に増大するという問題が発生していたとのこと。
大和ハウス工業とFNJは、IoT技術を用いて、マンション各戸のエコキュートを遠隔操作にて最適に制御することで、マンション全体の電力負荷を平準化できると想定。今回のサービスにより、世帯ごとに日々変わり得る生活リズムにも柔軟に対応することを目指すとしている。
サービスでは、各戸の「MEMS」とエコキュートを「ECHONET Lite(エコーネット ライト)」で接続し、エコキュートの稼働データをMEMSに集約。集約されたデータはFNJが所有するサーバに30分単位で蓄積し、生活リズムごとに居住世帯をいくつかのグループに分類。各グループの構成は、蓄積されたデータを元に、エコキュートの使用状況によって適宜変更することも検討する。
これにより、各グループのエコキュートの稼働時間が分散されるよう最適制御を行うことで、マンション全体の電力負荷を平準化し、ピークシフトを実現する。削減できたコストは、マンションでのイベント開催や防災グッズの更新費用などに充当し、入居者へ還元するという。
サービスの開発が完了次第、大和ハウス工業が提供するスマートマンションサービス「D’sエネルギープラン」に組み込み、展開するほか、大和ハウス工業が今後開発・販売を手掛ける戸建分譲地にて導入することも検討する。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス