2020年には114億円市場--ミック経済研究所、介護・福祉ロボット市場の中期予測

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 情報・通信分野専門の市場調査機関であるミック経済研究所は5月10日、2016年度の介護ロボット6分野の市場は30億6700万円で、2020年度には114億市場に成長するとの中間予測を発表した。

 4月に同社が発刊した国内の介護・福祉施設向けロボットの市場実態を捉えたマーケティング資料「介護・福祉施設向けロボットテクノロジー市場の現状と展望 2017年版」の一部を抜粋したもの。

 若年人口の減少による労働力不足、高齢化に伴う介護需要の増加、地域包括ケアシステムにおけるロボット機器の活用可能性を踏まえた中間予測だ。介護・福祉施設での職員の負担軽減や業務の円滑化を目的に利用されているコミュニケーション型ロボット、リハビリ型(装着)ロボット、移乗型(装着)ロボット、移動型ロボット、見守り型ロボット、服薬支援型ロボット──の6分野を調査対象としている。

 同社によると、日本の全人口における高齢者の割合は年々増加し、それに伴い介護が必要な要介護認定者は2015年で400万人を超え、将来的には介護職員の不足が想定されているという。この介護職員不足を、ロボット機器活用による解消が試みられており、2013年度には、経済産業省の主導により「ロボット介護機器開発・導入促進事業」が立ち上がった。

 同事業により、介護・福祉施設へとさまざまなロボット機器の導入が進められており、同資料の調査対象6分野の売上高の合計は、30億6700万円にものぼるという。

 中長期的には、現在の介護問題を抜本的に解決するシステムとして期待されている地域包括ケアシステムを構築するための機器として利用することも想定。2020年度には144億円市場へと成長すると予測している。

 なお、調査対象6分野の2016年度動向は以下の通り。


 コミュニケーション型ロボットは、ロボットとの会話などによるコミュニケーション活動によって、介護職員の負担軽減効果がある。現時点ではまだ試験的な運用が多いが、当該市場の売上高は対前年54.5%増の5億8500万円となった。


 リハビリ型(装着)ロボットは、病気やケガによる障害を持つ人のリハビリテーションを支援する装着型の機器。売上高は、対前年度13.1%増の8億4000万円となった。当該製品の利用対象と想定される対象者および、機関・施設の数に比べまだまだ出荷数は少なく、成長可能性が高い機器であるという。

 移乗型(装着)ロボットは、移乗行為が発生した時に介護者が装着することで、アシスト効果がある機器。売上高は、対前年度より74.7%伸長し8億円となった。ただ、否定的な声も多く改善を要し、課題が解決されるかどうかが今後の成長への課題であるという。

 移動型ロボットは、従来の歩行器に電動モータが備え付けられた機器。売上高は、3億8400万円。既存の歩行器(モーター付きでない)市場から一部置き換わる形で成長することが予想されている。

 見守り型ロボットは、被介護者の転倒や徘徊などのリスクを軽減する機器。売上高は、対前年度114.4%増の3億7300万円となった。現在実証実験中であるメーカーも多くあるが、現場での有効性は高く評価されている。今後、新規参入企業が増加してくることも予想される。

 服薬支援型ロボットは、服薬記録などを管理できる機器。患者宅や入居施設に薬剤師が直接訪問し、薬剤指導を行う訪問薬剤管理指導のための機器として期待されている。売上高は、前年度比で48.2%増の8300万円。地域医療ネットワーク構築に利用される機器となることが期待されるという。

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