ポータブル吸気一酸化炭素測定IoTデバイスは、息に一酸化炭素(タバコに含まれる有害物質)がどれくらい含まれているかを確認するもので、禁煙の期間が長く続けば数値は徐々に下がってくるという。
実は、禁煙治療の保険診療には、この測定器を備えていることが一つの条件となっている。現状の医療現場で使われている測定機器は大きく、費用も高額で個人が持てるようなものはないという。そこで新たに開発したのが今回の機器だ。
毎日持ち歩きながらどこでも使うことを想定し、Bluetoothとの連携でスマートフォンとの連携もスムーズに行える。Bluetoothで連携できる吸気一酸化炭素測定デバイスは世界で初という。なお、アプリにはAndroid版とiOS版があり、患者個人のスマートフォンで利用することを想定している。
現在治験を進めており、2018年後半に遠隔禁煙治療に向けた保険適用の承認を目指す。価格については企業側が決められるものではないとして明言は避けたが、「治験で禁煙補助薬(ニコチンパッチ)と効果が同等ならその薬の半額を見込む」(佐竹氏)としている。
キュア・アップは、現状治療に使われている医薬品やハード医療機器によるアプローチに加え、新たに「医療アプリ」の推進を目指している。その第1弾として進めているのが禁煙治療だ。
その背景には、日本の医療が抱える高騰する医療費の問題を解決したいという思いがあるという。喫煙は第1位の死亡因子であり、禁煙成功率の増加がもたらす患者や社会への影響は大きい。現状の禁煙治療は、7割が失敗するなどまだ不十分な上、禁煙を推進することで医療費を下げられる効果があるとして、保険の適用に向け開発を進めていくとしている。
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