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プレミアムインタビュー

守りに入らない、挑み続ける会社に--LINE出澤剛×舛田淳の“組織論” - (page 2)

藤井涼 (編集部) 渡徳博(カメラマン)2017年04月14日 08時00分
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舛田氏 : 彼は生まれてこの方、ずっと(公に)出ていないんですよね。これは韓国のNAVERにいた時もそうですし、その前の自分の会社ですら出ていません。これには彼の考え方があってですね、「自分はものを作る人間なので、外に出る時間があるならものを作るべき、ものでメッセージを出すべき」と言ってます。それと、ひたすらシャイなんです。社内で話すのですら疲れてますから(笑)。リーダーシップはきちんとありますが、あまり表で喋りたいとは思っていないんです。

――LINEに韓国のイメージが付かないようにするためではないかと言われたこともあります。

舛田氏 : それも役割分担だと思っていました。NAVER時代も2人でやっていましたが、私はプロダクトのコードを書く立場ではないので、事業やコミュニケーションを担当していて、その流れで外で喋ることが多かった。その代わり、慎はピュアにプロダクトに向き合うと。そういう意味だと、それぞれ1人でいろいろなことをする余裕がなかったんですよね。なので、あるタイミングでは私も外に出ずに事業と向き合い続けました。今もそれに近いのですが、そういう環境にいることが我々は正しいと思っていますね。

社員が大切にすべき6つの価値観

――組織が急拡大を続ける中で、どのようにして社員の意識やビジョンを統一しているのでしょうか。

出澤氏 : そこがとてもチャレンジで、いまグローバルで3600人を超えていますので、どうしても当初のように、「あまり言わなくても通じ合うよね」というところは薄くなります。その中で、いかにみんなとエンゲージしていくかというのは、本当に大きな経営課題だと思っています。

 これまでは、社員向けのミッションなどもあえて作ってきませんでした。なぜかというと、それがお題目になってしまう可能性があって、自分たちの仕事の範囲を決めてしまい、結果的に成長を止めてしまうと思ったからです。やはりインターネット業界には非常に可能性がありますので、あまり自分たちを枠にはめるようなことはやめようと考えていたのですが、会社の規模が大きくなる中で、LINEの方向性も経営陣の中で明確に見えてきたので、2016年に(世界中の人と人、人と情報やものとの距離を縮め、心地よい関係性を作る)「Closing the distance」という会社のミッションを対外的に発表しました。

2016年にミッション「Closing the distance」を打ち出した(同社ブログより)
2016年にミッション「Closing the distance」を打ち出した(同社ブログより)

 そして、その第2弾として社員が大切にすべき6つの価値観(ニーズ、データ、スピード、チームワーク、ディテール、エンジョイ)を「LINE STYLE」として定義し、2017年の頭に発表しました。そういう、会社として守るべきことを社員に共有しつつ、いろいろなエンゲージメントを高めていくこと。そして、役職の階層を薄くするために、経営陣、ミドルマネジメント、一般社員の3レイヤーに分けるフラットな組織体制にしたり、スピード感を失わないように(プロジェクト単位でチームを組む)ファンクション組織にしたりすることで、社員とのコミュニケーションを図っていますね。

――社員を評価する上で、大切にしていることは何でしょう。

出澤氏 : それもLINE STYLEに収れんするのですが、仕事に対してこだわりを持つということですね。たとえば、管理部門にとっての顧客は社員かもしれませんので、そこに対して驚くような経験を与えることはできると思います。まずは、自分のサービスを期待されている以上の価値で提供することが大事です。それと、チームワークですね。LINEはチームプレーでここまできたので、1人のスタープレーヤーがいればいいのではなく、コラボレーションすることが重視されると思います。

――社員向けの制度なども教えてください。

出澤氏 : たとえば、新オフィスでは保育園を作ったり、社員の健康を維持するための食事や運動の支援、社員の困りごとをサポートするコンシェルジュを設けたりしています。これ以外にもいろいろな施策を用意しているのですが、やはり社員が働きやすい環境を作ることが大事です。1日の中で仕事の時間が最も長いので、いかに集中して仕事に向き合えるようにするか。そこを会社が最大限サポートして、各々の社員が向き合うべきカスタマーやクライアントに対して、WOW(ワウ)を提供できる状態を作りたいですね。

――渋谷から新宿にオフィスを移転したのには、若年層からより幅広い年齢層に向けて、サービスを提供したいという思いも込められているのでしょうか。

舛田氏 : 特にそういう意図はないです(笑)。オフィスを移らないにこしたことはないんですが、我々も人数が非常に増えていますので、この規模を収容できるのはどこかということで(JR新宿ミライナタワー)を選びました。積極的に“大人の会社”になるために新宿に移ったということではないですね。

新宿オフィスへの移転について語る舛田氏
新宿オフィスへの移転について語る舛田氏

――最後に、今後LINEをどのような組織にしていきたいと考えていますか。

出澤氏 : 一言でいうと、WOWを作り続ける会社でありたいですね。守っていたらお終いなので常に新しい挑戦をして、ユーザーに対して新しい体験を提供する組織でありたいと思います。ご存知の通り、この業界は非常にサイクルが激しいですし、一度イノベーションや新しいことにチャレンジするモメンタムが失われると、急速に競争力が落ちていきます。新しい挑戦をし続けることが、結果的に持続的な成長につながると強く確信しているので、とにかく前を向いてチャレンジし続ける組織でありたいですね。

※第3回「出澤剛氏の“日常”」は4月15日(土)に掲載

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