スマートモビリティ「WHILL」に半額の新モデル--本体の分離で車載もスムーズに

 WHILLは4月13日、新型モデルパーソナルモビリティ「WHILL Model C(ウィル モデル シー)」を開発し予約販売を開始すると発表した。出荷は6月より開始する予定。

WHILL Model C
手前左が新型の「WHILL Model C」、右奥にあるのが「WHILL Model A」

6色のカラーラインナップをそろえる

 WHILL Model Cは、2014年から販売中のフラッグシップモデル「WHILL Model A」(日米で約1000台を販売)のデザインや走行性能を継承しつつ、車載性や収納性を高め、外出シーンでの利便性を高めたパーソナルモビリティの最新モデル。

 WHILLは、前輪に横方向の移動もできる独自開発のオムニホイール(全方位タイヤ)を搭載するのが特徴。最小回転半径は一般的なハンドル型電動車いすより大幅に小さい約76cmを実現している。横幅55cmのスリムなボディも相まって、小回りが利き、エレベーター内や買い物中の通路など、狭い空間での方向転換もスムーズだ。


前後左右に移動できるオムニホイール

 今回のModel Cは、WHILLにとって戦略モデルに位置づけられる。価格は、Model Aの99万5000円(税別)から45万円(税別)に大きく引き下げられているほか、重量も116kgから52kgに軽量化されている。これは、日本電産と共同開発した高出力モーターにより、パフォーマンスを維持したまま4輪駆動から2輪駆動に変更したことと、鉛電池からパナソニックと共同開発した10Ahのリチウムイオンバッテリを採用したことが大きい。

 また、新設計のボディは、工具不要の簡単操作で3つのパーツに分解可能。軽量化もされたことで収納時や車載時の利便性が向上している。これまで要望が多かったというショッピングバスケット(容量20L)をボディ下に標準装備している。新開発のバッテリの重量は約2.8kg。5時間の充電で約16km走行し、約1000回の充電が可能だ。


工具不要で3つのパーツに分離可能

中央にあるのが新開発のリチウムイオン電池。Model Aの鉛電池(30kg以上)と比べると2.8kgと大幅に軽量化されている

 さらに、電動車いすとして日本で初めて3G通信モジュールを搭載しており、ファームウェアアップデートを遠隔で実施できるようになった。オプションの「WHILL Smart Care」に加入すると、遠隔から機体情報を確認できる「スマート診断」も利用でき、WHILL側でトラブル時の車体状況を即時に確認することができる。

 スマートフォンアプリ「WHILLアプリ」も用意する。Bluetoothと接続して細かな速度や加速度を設定できたり、本体をリモートで操作可能。iOSに加え、新たにAndroidにも対応(2017年秋以降)する予定。また、アプリ経由での操作が必要だった鍵かけも、専用のスマートキーを新たに用意している。

 急な坂道などを走行する場合や、操作ミスをした場合に注意を喚起する「音声案内機能」を搭載。横に傾斜した道など片流れしやすい環境でもまっすぐ走行しやすくなるよう駆動を制御する「片流れ防止機能」も採用している。また、最大5cmの段差を乗り越えることも可能(Model Aは7.5cm)。高速時だけでなく、超低速時でもなめらかな運転を実現した。

 Model Aと同様に、電源のオンオフやスピード調整は手元のコントローラーで調整可能。速度などの設定が簡単にわかるLEDタイプのモニタが取り付けられている。また、アーム部分は跳ね上げが可能なため、横からの乗降もスムーズだ。カラーは、ホワイト、グレー、ブラック、ブルー、ピンク、ゴールドの6色を用意している。


電源オンオフや速度が調整できるコントロール部分

ジョグスティックを倒すだけで操作できる

 4月13日より同社のホームページおよび電話窓口にて予約販売を開始する。なお、介護保険によるレンタルは、6月以降に各福祉用具貸与事業者を通じて順次開始される予定。そのほか、カーディーラーなどでも新しいモビリティ手段として販売口を広げていくという。

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