日産自動車は、2016年に発表した、行列を自動で進むイス「プロパイロットチェア」を羽田空港に1日貸与。カレーうどん専門店の行列をサポートした。
1日貸与は3月23日、羽田空港第1旅客ターミナルにあるカレーうどん専門店「cuud」で実施。プロパイロットチェアを5脚用意し、1人が店内に入ると、自動的にイスが列の後方に回り、2番目のイスが先頭に動くデモを実演した。
プロパイロットチェアは、日産自動車の自動運転技術「プロパイロット」を応用し開発したもの。高速道路などの自動車専用道路の同一車線において、先行車両と車間距離を一定に保ち、かつ車線中央を走行するようにステアリング操作を支援する技術をベースにしているという。
2016年9月に公開し、その際に無償貸与の希望店を募集。走行条件や床の材質、電波状況などを考慮し、羽田空港への貸し出しを決めたという。
一脚ずつ、荷重センサ、検知センサ、バッテリなどを内蔵したボックスをイスの下部に備え、先行するイスを認識し、一定の距離を保ちながら追従することで次々に動いていく仕組み。指定されたルートに合わせて自動でストップ・アンド・ゴーを行う機能を搭載することで、それぞれのイスが自動操舵で移動する。
日産自動車日本マーケティング本部ブランド&メディア戦略部の江田壮寿氏は「プロパイロットチェアは、プロパイロットの技術を応用して生活の便利さを生み出していくプロジェクトの1つ。自動運転技術をわかりやすく伝えることを目的に製作した」を開発の経緯を話す。
羽田空港は、出発までの待ち時間など限られた時間で食事をする人が多く、スムーズな応対が常に求められる場所。店内に入るまでの行列は、1人が店内に入ると後ろに並んでいる人が1人ずつイスをずれるなどの起居動作が必要だった。
日本空港ビルデング経営企画本部広報部広報・IR課主任の平野京介氏は「待ち時間のストレスを軽減させることが目的。アトラクション的に楽しんでもらいたい」とコメントした。
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