空き部屋シェアサービス「Airbnb」を運営するAirbnbは3月21日、旅行者向けのトリップ機能を拡充したことを発表した。現地でさまざまな「体験」を予約できるサービスを、東京に続いて大阪でも開始。また、地元民がおすすめする穴場を紹介する「スポット(ガイドブック)」機能の提供を東京で開始した。
同日の記者発表会では、Airbnb共同創業者のジョー・ゲビア氏が登壇した。同氏によれば、Airbnbは191カ国、世界3万4000都市で利用されており、約300万の宿泊施設が登録されているという。
2016年11月からは、全世界で「トリップ」機能の提供を開始。宿泊だけでなく、現地ならではの体験や、地元民がおすすめするスポットをアプリ1つで知ることができる。同機能によって、旅行計画にかかる煩わしい時間を減らすことで「旅行は魔法のような体験でありながら、楽だと思ってほしい」とゲビア氏は話す。
Airbnbでは世界13都市で体験の予約受付をしており、2017年中に都市数を51まで増やす予定。体験は都市やカテゴリ別に探すことができ、ユーザーはサービス提供者の自宅で食事をしながらレクチャーを受けるといった、Airbnbならではの体験を味わえる。現在、体験数は800を超えており、その数は2016年11月から60%以上増加しているという。体験の平均額は1人あたり91米ドルで、体験の91%が5つ星の評価を得ているそうだ。
東京では、これまでに和食作りや風呂敷の包み方など100におよぶ体験を提供しており、世界ではパリに続いて2番目に人気の高い都市だという。ゲビア氏も東京で盆栽作りを楽しんだそうだ。新たに開始する大阪では、まず10の体験を提供する。具体的には、和紙作りや、ヨガ、ポールダンスや包丁研ぎなどに挑戦できるという。
そして、地元の人がおすすめする穴場を知ることができるスポット(ガイドブック)機能を東京で提供する。自転車店「テンプラサイクル」の店主・小林健太さんや、書家の本田蒼風さん、服飾デザイナーの中村麻美さんなど、約50人のエキスパートがおすすめする、約450カ所の情報を閲覧できるという。これらの情報によって、観光客と地元コミュニティのつながりをより深めたい考えだ。
ところで、日本では3月10日に民泊新法(住宅宿泊事業法案)が閣議決定した。早ければ2018年1月にも施行するという。民泊新法では、部屋の貸し主(ホスト)は都道府県に届け出を提出する必要があり、不適切な事業者は罰則する方針としている。また、宿泊させることのできる日数は年間で180日が上限になるという。この動きについてゲビア氏は、「歓迎したい。政府と協力してフェアでバランスのとれた法案にしていきたい」と語り、既存のホスト(貸し主)にも新法への理解を求めていきたいとした。
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