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東芝、決算発表を再度延期--綱川社長「新たな気持ちで新生東芝に挑む」 - (page 2)

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「メモリ事業の売却は、2017年度の早い時期に決めたい」

 また綱川氏は、今後の再生への取り組みとして「海外原子力事業のリスク遮断」、「財務基盤の早期回復と強化」、「東芝グループ組織運営の強化」の3点をあげた。

 「海外原子力事業のリスク遮断」では、ウェスチングハウスの株式のマジョリティ売却などによる非連結化を含めた再編検討を加速すると発言。50%以上の資本売却を視野に入れていることを示した。「東芝グループにおけるウェスチングハウスの位置づけを大幅に見直し、戦略的選択肢を積極的に検討する」とした。

 経営が悪化しているウェスチングハウスに売却先が存在するのかといった質問に対しては、「サービス、燃料などの安定した事業があり、可能性はある」としたほか、「破産申請や株式売却などについて、現時点では決まったことはない」と回答した。

 「財務基盤の早期回復と強化」では、メモリ事業において、4月1日付けで分社化する東芝メモリに事業を継承する一方で、マジョリティ譲渡を含む外部資本の導入を決定したことに触れ、「メモリ事業のさらなる成長において、必要となる経営資源の確保と、東芝グループの債務超過を解消し、財務体質を強化する2つの狙いがある」とした。

 綱川氏は、「メモリ事業は、今後も年間3000億円程度の設備投資がないと成長し続けられない事業だが、東芝にはそれができない。そのため、適切なパートナーと一緒に進めていくことが正しいと判断した。技術流出については、これまでにも、サンディスクやウェスタンデジタルと一緒にやってきている点でも問題がない。政治的問題になる国は避けて、この技術を大事に伸ばしたい」とし、「メモリ事業の売却は、2017年度の早い時期に決めたい」とした。

 現在、入札を開始しているが、「オープンな入札をしており、3月末までに条件がそろう。半導体技術は国の安全にも絡むことなので、その点も考慮する。どこが入札しているのかは、具体的な名前はいえない」と述べた。

 なお、東芝では、2016年度に、東芝プラントシステム、ジャパンディスプレイ、東芝機械、シグマパワー、東芝医用ファイナンスの株式を売却。不動産では、青梅工場、米アーバインキャンパスを売却し、合計で約1600億円の売却益を得ている。「2017年度も保有資産の売却を引き続き継続する」として、聖域なく保有意義を見直していくという。

 「東芝グループ組織運営の強化」では、東芝グループの企業価値の最大化と、ガバナンス強化の両立を目指し、組織運営の強化を打ち出した。カンパニーは自律した事業体として、ガバナンスおよびリスク管理を追求するために、100%子会社化した分社に取り組むほか、コーポレート機能は事業規模に応じた適正規模に見直すという。

 「2016、2017年度は、リスク遮断、財務基盤の回復、組織運営の強化の確実な実施により、収益基盤の改善を行い、2018年度以降に向けて成長事業を育成し、安定成長につなげたい」と語った。

 なお東芝は、2016年度第3四半期(2016年4~12月)報告書の提出期限を再延長し、それに関する承認を受けた。延長後の提出期限は4月11日となる。また3月15日付けで、審査中の監理銘柄に指定され、上場廃止基準に該当するかどうかの審査が行われる。

四半期決算発表は再度延期へ

 3月14日午後4時から東芝本社で行われた会見で、綱川氏は「本来ならば、四半期決算を発表するはずだったが、いまだに独立監査法人の監査レビュー報告書を受領できていない段階にある。遺憾ながら関東財務局に再度の提出期限延長を申請し、承認を得た。それにより、決算発表を延期した。このような事態になり、株主、投資家をはじめとするステークホルダーには、多大なる迷惑、心配をかけることを改めて深くお詫びする」と陳謝した。

 東芝では2月14日に、第3四半期報告書を提出する予定であったが、ウェスチングハウスによる、CB&Iストーン・アンド・ウェブスターの買収に伴う取得価格配分手続きの過程において、内部統制の不備を示唆する内部通報があり、WEC経営者に対する不適切なプレッシャーの存在などに関して調査する必要があると判断。そのために、提出期限を3月14日とし、その承認を受けていた。

 だが、調査では一部経営者による不適切なプレッシャー等の存在を認定するとともに、その改善措置を講じることにしたが、10万件にのぼるメールデータなどのすべての情報を踏まえると、追加調査が必要と判断。調査の完了および報告、それを受けた監査委員会としての調査結果の評価、独立監査人によるレビュー手続には、さらに4週間程度の期間を要すると判明。延長承認後の提出期限までに提出することが困難な状況となり、提出期限の再延長の承認を申請したという。


東芝社外取締役指名委員会委員、監査委員会委員長の佐藤良二氏

 「今回の延長申請は、新たな項目で再度調査をしなくてはならないということであるが、プレッシャーをかけた人に関する調査であるという点ではつながりがあるといえる。財務数字の監査ではなく、内部統制の問題である」(東芝社外取締役指名委員会委員、監査委員会委員長の佐藤良二氏)とする。

 また、「内部通報は、当時ウェスチングハウスの管理職だった者が、原子力発電所の建設プロジェクトコストの検証会議で、コスト修正への合意を拒否した報復として当時の職責を解かれたと主張する内容だった。この通報を受けて弁護士事務所による調査を実施したが、これにより解雇された事実はなかったとの結果を得ている。一方で、調査の過程で一部経営者により、不適切なプレッシャーがあったとの供述があったため追加で対象範囲を拡大して調査を実施した。現時点では、四半期財務諸表に具体的に修正を行うべき重要な事項は認識していない。なお、プレッシャーを与えたと認められた経営者については、ウェスチングハウスへの経営への関与を控えるように改善措置を講じた。調査が完了した時点で最終的な措置を公表する」(佐藤氏)と述べた。

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