DeNA、村田マリ氏らを処分--キュレーション問題の調査報告書を公表

 ディー・エヌ・エー(DeNA)は3月13日、同社のキュレーションサービスに関する一連の問題調査のために設置した第三者委員会について、調査報告書を受領し今後の対応方針について発表した。

 調査は、2016年12月から3カ月にわたって実施。DeNAが運営していた10のキュレーションサービスの記事37万6671件についてサンプル調査したところ、複製権・翻案権侵害の可能性がある記事の出現率の推計値は1.9~5.6%の範囲内となり、可能性を否定できない記事の推計値は0.5~3.0%の範囲内だったという。

 また、掲載された画像472万4571枚のうち、74万7643枚については一部個別許諾を取得した可能性があり、すべてではないが複製権侵害の可能性がある。同時にこれらの画像は、公衆送信権侵害又は氏名表示権侵害となっている可能性もあるとした。

 すべてのキュレーションサービスで、文章自体には著作物性が認められないものの、他の記事をコピー&ペーストしたと考えられるもの、出典が不明瞭で引用方法として不適切であるものなど、倫理的に問題のある記事が掲載されていたという。そのほか、掲載した記事に対して画像や文章の無断利用に関するクレームがあった場合、プラットフォーム提供者としてプロバイダ責任制限法の適用を受けられるかのような対応をしていたという。

 外部から内容について問題視された、医療キュレーションサービス「WELQ」の記事19本については、薬機法に違反する可能性のものが8本、医療法では1本、健康増進法では1本だったという。記事の一部には、センシティブなテーマを扱う記事に掲載されたアフィリエイト広告で不適切な点があったこと、ユーザーに対する配慮を欠いた内容の記事を掲載したこと、医師の間にも見解に相違がある内容を安易に掲載したなど、倫理的に問題があったという。

 委員会では、こうした問題に至った原因として、iemoとペロリの買収によるキュレーション事業への参入の段階で、同事業に関する分析・議論が尽くされず、事業リスクが適切に把握されていなかったこと、両社の買収後、同事業の潜在的なリスクに対する予防策が十分に講じられなかったこと、事業拡大の過程で、リスクに対するチェックや手当てが十分ではなかったために、リスクの顕在化を招くとともに問題の早期発見が遅れたこと、事業運営に対する「自己修正」を妨げる要因が複数存在していたことを挙げている。

 再発防止策として、DeNAが掲げる「永久ベンチャー」は免罪符ではなく、目指すべき企業としての在り方を正しく認識しなおすこと、数値偏重から公正なマネタイズに意識を変え、事業の在り方について再検討すべきこと、事業参入後の必要十分なチェックや振り返りを継続できる体制とプロセスを検討すること、キュレーション事業に関して適切な再検討を実施することを挙げている。

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