WikiLeaks、CIAのハッキング手法を示す文書を大量公開--スマホやスマートテレビも標的か

Laura Hautala Alfred Ng (CNET News) 翻訳校正: 湯本牧子 高森郁哉 (ガリレオ)2017年03月08日 10時53分

 WikiLeaksは、米中央情報局(CIA)が一般市民の電話、車、コンピュータ、スマートテレビへの侵入に利用できる秘密のハッキングツールに言及している文書数千点を公開したと述べている

 米外交公電データからHillary Clinton氏の選対委員長の電子メールまで、あらゆるものを公開してきたWikiLeaksは米国時間3月7日、「Vault 7」というコード名で文書を公開した。これらの文書は、世界中のシステムに侵入するために使われるCIAの最も重要なハッキング技法を暴露する可能性がある。これらの文書の真偽や、文書が改ざんされたかどうかについて、米CNETは確認できていない。

 CIAで広報を担当するJonathan Liu氏はメールで、「われわれは、機密文書とされているものの真偽や内容についてコメントしない」と述べた。

 文書は、「iPhone」や「Android」搭載スマートフォン、「Windows」や「Linux」コンピュータに搭載されるOSに、CIAが侵入できた可能性があることを示唆している。つまりCIAは、デバイスに保存されたデータ、さらには「WhatsApp」や「Signal」「Telegram」といった人気の高いサービスを利用して送信される暗号化されたメッセージにもアクセスしていたことになる。ハッキングによって、「Samsung Smart TV」のようなガジェットが傍受のためのデバイスになりうるとWikiLeaksは述べた。

 WikiLeaksにはこれまで、極秘の政府文書を数多く公開してきた実績がある。CBS Newsの報道によると、資料の精査を始めた専門家らは、今回の文書が本物のようだと述べたという。ただし、これらのプログラムが現在も実行されているかどうかや、各OSの最新版に影響を及ぼすかどうかは不明だ。

 Apple、Google、Motorolaは、WikiLeaksの主張についてコメントを避けた。サムスンは現時点で、コメントの要請に対して返答していない。

 Microsoftの広報担当者はメールで、「われわれは報道について認識しており、現在調査しているところだ」と述べた。

 WikiLeaksが説明しているハッキングツールは、単に暗号化されたデバイスを解読するだけにとどまらない。WikiLeaksのプレスリリースによると、今回の文書は、CIAがスマートテレビを盗聴器に変えうる「Weeping Angel」というプログラムを開発したことや、インターネットに接続された自動車の制御システムをハッキングする方法を模索していたことを示しているという。

 まるでスパイ映画のようだが、その他の多彩なコード名には、データを画像の中に隠すシステム「Brutal Kangaroo」や、CDまたはDVDで配布されるソフトウェアに感染する「Hammer Drill」などがある。

 WikiLeaksによると、CIAはまた、AppleやMicrosoftなどのテクノロジ大手が運用するソフトウェアの脆弱性を「発見しても報告せず」、エクスプロイトについて黙っていることで、CIA自身がバックドアからのアクセスを維持できるようにしていたという。

 WikiLeaksは今回のリークについて、バージニア州ラングレーにある高度なセキュリティを備えたCIAのネットワークから取得したものだと主張している。CBS Newsによると、CIAはコンピュータ、電話、スマートテレビを標的にしていたとみられるという。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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