「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」を手に入れた。あっという間に「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」の主人公リンクになって、ハイラルの緑あふれる丘を駆け回っている。任天堂のゲーム機を買うのは10年ぶりだが、20分もすれば任天堂の懐かしい感覚がよみがえってきた。Nintendo Switchをすっかり気に入っている。
Nintendo Switchは任天堂の最新のゲーム機であり、変化を特徴とする製品だ。そう、文字どおりに変化する。携帯用ゲーム機でありながら、そのまま家庭用ゲーム機に姿を変えるのだ。
任天堂はこのところ、ファンの懐古の情を強く刺激しており、「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」(北米版の製品名は「Nintendo Classic Edition」で、「NES Mini」の愛称で呼ばれ、いまだに品薄の製品としても知られる)を発売したほか、「スーパーマリオ ラン」をリリースして「Android」「iOS」にマリオをデビューさせた。だが、Nintendo Switchは過去を追体験するためのものではない。任天堂のエッセンスを、現代的でユニークなゲーム機へと作り変えたものだ。筆者はすっかり心惹かれてしまった。
子どものころは初代「Nintendo Entertainment System(NES)」(北米版「ファミリーコンピュータ」)を持っていて、「スーパーマリオブラザーズ」「忍者龍剣伝」「ダブルドラゴンII」「ファイナルファンタジー」といったゲームで遊んでいた。お気に入りは「ゼルダの伝説」。そう、シリーズの第1作だ。初めてリンクになってプレーしたときは、信じられないくらいの早さでゲームに引き込まれていった。
「ゼルダの伝説」はNESで初めて、プレーの途中でセーブできるゲームだった。金色の独特のカートリッジで、バッテリとメモリチップを内蔵。これも任天堂として初の試みだった。セーブ機能があったからこそ、「ゼルダの伝説」はそれまで筆者が遊んだどんなテレビゲームとも違っていた。ストーリーは何週間も続くほどの広がりがあり、総合的なゲーム体験は複合的で没入感も高い。まるで、おもしろい本を読んでいるような感覚だ。
初代NESは万能のエンターテインメントであり、1人プレーもできれば、大勢でも楽しめた。友だちがたくさん来て居間の木枠のテレビに群がり、「マイクタイソン・パンチアウト!!」「ダックハント」「テクモスーパーボウル」「スパルタンX」「エキサイトバイク」などに何時間も興じたものだ。NESによって任天堂のエッセンスが形作られた。おもしろさ、親しみやすさ、集まって遊ぶ楽しさ、ちょっと変わった趣向(「光線銃シリーズ」や「パワーグローブ」を思い出してほしい)といった要素がバランスよく備わっていたのだ。
NESのだいぶ後に発売された「ニンテンドー ゲームキューブ」にも、同じような任天堂エッセンスがあった。筆者がゲームキューブを買ったのは当初、「ゼルダの伝説 風のタクト」をプレーするためだった。実際、暇さえあればプレーしていた(ガールフレンドなんかいなくても気にならないくらいに)。その一方で、「マリオカート ダブルダッシュ!!」のようなゲームも出て、仲間うちではたちまち話題の中心に。2人乗りプレーというシステムが画期的で、特にプロジェクタにつなぐと迫力だった。
NESとゲームキューブの間には、初代「ゲームボーイ」で遊んでいた。家庭用ゲームを外でも遊べるようにしたゲーム機だ。筆者は単三電池を大量に消費したので、今でも実家には使い古しがたくさん残っているだろう。
うちでは兄弟2人がゲームボーイを1台ずつ持っていて、通信ケーブルもあったので、ゲームボーイ同士を接続して「F1レース」のようなゲームで対戦プレーもできた。
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