トヨタ自動車が、まったく新しい自動運転実験車を独自に開発した。この実験車は、自動運転の未来に向けた2通りのアプローチを進めるのに使われる予定だ。
Toyota Research Institute(TRI)は、この実験車を完全に社内で開発した。開発のベースにした車体は、ハイブリッド高級セダン「レクサスLS600hL」の現行世代だ。実験車は、道路状況をモニターするための、LiDAR(光検出と測距)、レーダー、カメラセンサを搭載する。また、機械学習を採用しているため、走行距離が長くなるほど運転も向上する。
このレクサスLS600hLに搭載された技術は当面、TRIが開発中の「Chauffeur」(完全自動運転)と「Guardian」(高度運転支援)で利用される。
Chauffeurは、従来の自動運転システムにより近い。米自動車技術者協会(SAE)が定める6段階の自動運転レベルでレベル5にあたる、人間による操作をまったく必要としない完全に無制限の自動運転や、すべてではないが大部分の操作で自動運転を実行できるSAEレベル4の自動運転を目指す。
一方のGuardianは、最終的な操作はドライバーに委ねるという発想だ。人が運転しているあいだ、Guardianはたえず周囲をスキャンし、危険が迫るとドライバーに警告できる。ドライバーが衝突を避ける操作をしない場合は、システムが衝突を避ける。
トヨタは、Guardianのほうが先に市場に投入される見込みが高いと考えている。Guardianはドライバーの操作に依存するためだ。だが、どちらのシステムも、できるだけ短期間に運転体験を向上させるため、ドライバーの運転習慣を学習し、路上に出ている他の同様の車両とデータを共有していく。
短期的には、トヨタは運転支援システムの強化に取り組むとしている。2017年末までに、トヨタ車とレクサス車のほぼすべてのモデルに自動緊急ブレーキ(AEB)を標準装備すると述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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