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名古屋で生まれた駐車場シェア「スマートパーキング」--業界の“サラブレッド”が挑む

藤井涼 (編集部)2017年02月13日 16時08分
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 駐車場シェアリングサービスと聞くと、「akippa」を思い浮かべる人が多いかもしれないが、トヨタ自動車が本社をおく愛知県でも、駐車場シェアリンクサービスが提供されている。シードが運営する「スマートパーキング」だ。2012年に創業し、全国約600カ所の駐車場にクルマを停められるという。

「Smart Parking」
「Smart Parking」

 スマートパーキングは、空きスペースをもつオーナーと、駐車場を使いたいユーザーを、リアルタイムの駐車状況管理によってマッチングするアプリ。ユーザーは検索で好みの駐車場を見つけてクルマを駐車。その場に置かれているカラーコーン(ビーコン)とスマートフォンを認証することで課金が発生する。料金は、通常のコインパーキングと比較して1~2割程度安いという。事前登録したクレジットカードやPaypalで決済するため現金は不要だ。

 前述したakippaは、事前に駐車場の予約と決済を済ませることで、音楽ライブの会場など一時的に混雑するエリア周辺でも、安心して駐車場を確保できることを強みとしている。一方のスマートパーキングは、駐車場を予約して、利用した時間分だけを後払いにすることで、一般的なコインパーキングに近い感覚で利用できると、シード代表取締役の吉川幸孝氏は語る。「akippaは“新しい市場”を作ろうとしているが、私たちは“既存のコインパーキング市場”を変えようとしている」(吉川氏)。

パーキング業界の“サラブレッド”の挑戦

シード代表取締役の吉川幸孝氏。自身もクルマ好きだそうで愛車はプジョーだという
シード代表取締役の吉川幸孝氏。自身もクルマ好きだそうで愛車はプジョーだという

 吉川氏は、名古屋でコインパーキング事業を立ち上げた父親を持ち、幼い頃から駐車場と接する機会の多かった、いわば“パーキング業界のサラブレッド”だ。2012年に創業してから5年、父親とは違う形でさまざまなパーキング事業を展開し「いつかは父親を超えたい」と意気込む。

 スタートアップは東京に集中しているが、近年は福岡や大阪でも起業が増えつつある。しかし、名古屋発のスタートアップというのはあまり耳にしない。吉川氏は、「愛知県は製造業が多く、地場産業がしっかりしているため、他の主要都市に比べてスタートアップが少ない」と説明。スマートパーキングによって、生まれ育った街を盛り上げたいと語る。

 同社はもともと、スマートパーキングとは別のサービスとして、駐車場検索アプリ「コインパーキング検索」を運営してきたが、2月9日にこれを刷新。新アプリ「パーキングライブラリ」(iOS/Android)として公開し、新たにスマートパーキングとの連携も開始した。

「パーキングライブラリ」の利用イメージ 「パーキングライブラリ」の利用イメージ
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 パーキングライブラリでは、全国の5万件以上の駐車場を検索できるほか、AIが目的地周辺の駐車場の中から、距離や料金を勘案して、最適な駐車場を1~10位までランキングづけして提案してくれる。ユーザーは、目的地と駐車したい時間を入力するだけで、最も近くて安い駐車場を把握できるようになる。

 さらに、表示された一部の駐車場は、スマートパーキングと連携してスマートフォンでの入出庫処理や清算が可能になった。パーキングライブラリの地図上に表示された駐車場アイコンをタップし、料金や駐車可能な車体のサイズ、駐車場の写真などを確認したうえで、「入庫する」を選ぶことで駐車できるようになる。地図上に「空」「満」マークが表示されるため空車かどうかがひと目でわかるという。

 今回のアップデートを機に、提携する駐車場数を一気に拡大させたいと吉川氏は語る。2月時点での駐車場数は約600カ所で、約9000カ所を確保するakippaには大きく差をつけられている。また、2016年6月にはNTTドコモが「docomoスマートパーキングシステム」を発表するなど、大手事業者による参入も始まった。いかに消費者にスマートパーキングならではの利便性を伝えつつ、駐車場数を増やせるかが勝負の分かれ目になりそうだ。

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