「1984」は70年近く前に書かれた小説だが、Amazonのベストセラーリストで突如首位に躍り出た。
1949年に初版が刊行されたこの古典的小説では、常に監視の目を光らせるBig Brotherが権力の頂点に君臨し、Inner Partyと呼ばれる専制的な社会的上層階級が支配するディストピア的な大英帝国の物語が描かれている。
Big Brotherは広範な監視をひとまとめに表す言葉として、文化的語彙に加わった。また作中に出てくる架空の言語「Newspeak」は、意味を分かりづらくして思想の自由を奪うための言葉を指すようになった。
「1984」に登場する政府は「Newspeak」を使用することで知られている。Orwell氏が入念に構築したダブルスピーク(二重語法)は、ファシスト政権によって、メディアの操作や真実の歪曲、大衆に対する脅迫に応用されている。「1984」の主人公はThe Ministry of Truth(真理省)に勤めている。真理省は歴史を改ざんし、政府が嘘をついている証拠を隠滅する政府機関だ。
ちなみに、Donald Trump大統領の顧問を務めるKellyanne Conway氏は今週、事実をめぐるある出来事で一躍有名になった。Conway氏は、ホワイトハウスの報道官が大統領就任式に集まった聴衆の数について発した明らかに事実と異なる主張について、「もう1つの事実だ」とした。
必ずしも因果関係があるとは言えないが、Trump氏の2016年夏のさまざまな発言を受けて米国憲法もベストセラーリスト入りしたことは興味深い。イラクで戦死したイスラム教徒の兵士の父親であるKhizr Khanさんは米国憲法の冊子を掲げて、当時大統領候補だったTrump氏を批判した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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