産業能率大学は1月18日、「2017年 全国の社長が注目する会社」ランキングを発表した。従業員数が10人以上の企業経営者495人を対象に、2017年に注目している会社を自由記述で1社回答してもらい、まとめたもの。調査期間は、2016年11月11~18日。有効回答数は342。
その結果、最も多くの票を集めたのはソフトバンクグループだった。2016年12月には孫正義社長とドナルド・トランプ次期米大統領が会談し、4年で500億ドルの投資と5万人の雇用創出を表明するなど、大きな話題となった。注目する理由として、今後の海外展開の動向やその成果に注目したいとする回答が多く見られたという。
また、今回初めてトップ10入りしたのは、海外でも積極的な企業買収を進める日本電産(5位)、日産自動車の傘下に入り経営の立て直しを図る三菱自動車工業(同5位)、提供サービスの世界的広がりに期待の声が集まったLINE(同5位)、鉄道事業に限らずさまざまな分野に事業領域を広げる九州旅客鉄道(9位)、2016年に大ヒットした「ポケモンGO」の今後の展開や、スマートフォン向けのゲーム配信に注目したいとする声が多かった任天堂(同9位)の5社だ。
以下は、順位(前年順位)と企業名、主な理由となる。
1位(2位)ソフトバンクグループ
- 「アメリカ大統領の交代でグループをどのように導いていくのか注目」(48歳/サービス業/東京)
- 「企業買収の成果が表れてくる年だと思うから」(60歳/卸売・小売業/三重)
- 「ロボット、携帯、エネルギービジネスの今後の展開」(60歳/情報通信業/東京)
2位(1位)トヨタ自動車
- 「構造改革の果実が実りそうだから」(62歳/製造業/福島)
- 「日本のトップ企業であり景気の指針となるから」(59歳/卸売・小売業/新潟)
- 「自動運転車の今後の展開に注目」(56歳/サービス業/群馬)
3位(8位)シャープ
- 「会社再建の道筋をつけられるか、初めの一歩を見届けたい」(61歳/建設業/東京)
- 「ホンハイによる買収後の動向に注目している」(58歳/製造業/神奈川)
- 「買収されてどのような経営に変わるのか興味がある」(65歳/運輸業/神奈川)
4位(20位)日産自動車
- 「自動運転技術に注目している」(54歳/不動産業/岩手)
- 「三菱自動車を傘下に収めますます成長が見込まれるから」(66歳/医療・福祉業/青森)
5位(41位)日本電産
- 「海外でさらに大型買収を進めるかどうか」(45歳/サービス業/岐阜)
- 「M&A」(61歳/卸売・小売業/福岡)
同5位(‐位)三菱自動車工業
- 「経営の立て直しに注目している」(50歳/製造業/東京)
- 「日産自動車の傘下に入りどのように変化していくのか注目」(57歳/建設業/東京)
同5位(‐位)LINE
- 「上場後のこれからの動向に注目している」(52歳/情報通信業/大阪)
- 「サービスの世界的な広がりに興味がある」(61歳/その他/宮城)
8位(3位)三菱重工業
- 「MRJの成否」(62歳/電気・ガス・熱提供・水道業/愛知)
- 「造船等の再編」(57歳/製造業/埼玉)
9位(‐位)九州旅客鉄道
- 「上場したので注目している」(64歳/製造業/奈良)
- 「さまざまな分野への進出が目覚しいから」(52歳/金融・保険業/福岡)
同9位(30位)任天堂
- 「新商品の開発に期待」(50歳/運輸業/愛知)
- 「ポケモンGOを活かすことができるか」61歳/建設業/兵庫)