英Raspberry Pi財団は、テレビのディスプレイ、産業用制御システム、家庭用メディアプレーヤーといったカスタムハードウェアの開発用として、「Raspberry Pi 3」をスリム化した「Raspberry Pi Compute Module 3」をリリースした。
現地時間1月16日に発表されたCompute Module 3は、2014年にリリースされた最初の「Raspberry Pi Compute Module」と比べて、RAMの容量が2倍、CPUの性能が10倍になった。
最新のCompute Module 3はRaspberry Pi 3の中核部分を含み、最大1.2GHzのBroadcom製64ビットプロセッサ「BCM2837」と1GバイトのRAM、それに4Gバイトのフラッシュストレージを搭載する。また、多くのポートをなくすことで、「Raspberry Pi 3」よりも産業用途に適した小型のデザインになった。
また、DDR2 SODIMMに準拠したソケットに取り付けが可能で、初代のCompute Moduleと同じピン配列が採用されている。最も大きな変更点の1つは、高さが31mmとなり、初代のCompute Moduleより1mm高くなったことだ。
Raspberry Pi財団は、標準版のCompute Module 3だけでなく、「Raspberry Pi Compute Module 3 Lite」もリリースした。これは標準版と同じプロセッサと1GバイトのRAMを搭載しているが、フラッシュストレージがない。製作者がeMMCデバイスやSDカードソケットを基板に追加できるようになっている。
最後に、「Compute Module IO Board V3」もリリースする。これはHDMIコネクタとUSBポートを備えたコンポーネントで、Compute Module 3に電力を供給し、フラッシュメモリのプログラミングを可能にする。
標準版のCompute Module 3の価格は30ドルで、Compute Module 3 Liteは25ドルだ(送料および税別)。また、初代のCompute Moduleも25ドルに値下げされた。英国では、RS ComponentsやFarnell element14などの販売店から購入できる。
今回の発表にあたり、Raspberry Pi財団は、商業用途の事例としてNEC Display Solutions Europeの名前を挙げ、同社が新しい大型ディスプレイ製品シリーズにRaspberry Pi Compute Module 3を組み込んだことに言及した。
Compute Module 3は、ディスプレイ上でサイネージソフトウェアやプレゼンテーションを実行するために使用されている。また、英国の研究者が、民生用の技術を利用して作られた小型人工衛星「CubeSats」でCompute Moduleを使用している例もある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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