ソニーとルネサンスは1月13日、ソニーの「Smart Tennis Sensor」を活用したテニスレッスン「スマートテニスレッスン」をルネサンスが運営するテニススクールで開始すると発表した。4月から導入する。
Smart Tennis Sensorは、ソニーが2014年に発売したテニス用のセンサ。テニスラケットのグリップ部底面に装着し、専用「Smart Tennis Sensorアプリ」とBluetooth接続することで、テニスのショットを即時分析し、スマートフォン上に表示する。想定価格は1万8000円前後だ。
コンシューマ向けモデルとして、テニス専門店などで販売されてきたが、ルネサンスの代表取締役会長である斎藤敏一氏がユーザーだったことなどもあり、テニススクールへの導入を検討。2016年に一部スクールでパイロット導入した後、今回の全国展開へとつながった。なお、ルネサンスは、テニススクールから事業を開始したスポーツクラブ。世界でもトップクラスのテニススクールになっている。
通常モデルは、1つのセンサに対し、1つの端末からデータを見られる仕様だが、今回の導入にあたっては、複数センサのデータを1つの端末で見られる複数対応に変更。チームレッスン時でもスムーズなデータ取得、確認を実現する。ネット両脇に1台ずつ、合計2台のカメラを設置することで、フォームなどを動画で確認する「プレイバックシステム」も備える。
レッスンで蓄積した映像、ショットデータ、コーチからのアドバイスなどは、手持ちのスマートフォンで確認できる「マイカルテシステム」を用意。レッスン時だけでなく、自宅や通勤途中などオフコートでも上達過程や目標達成状況などを振り返ることができる。
ルネサンスでは、1回につき90分のテニスレッスンを実施しており、ウォーミングアップ、先週実施したレッスンの振り返り、コーチとの打ち合い、会員同士の打ち合いなどが主な流れ。ただし、テニスは負荷の高いスポーツのため、レッスン中にインターバルを設けているほか、ユーザーが特に価値が高いと感じる、コーチから直接アドバイスをもらったり、技術紹介をしてもらう時間は30分程度だとルネサンスは分析している。
ルネサンスのスポーツクラブ事業企画部 スクールチーム 課長代理である舘内祐二郎氏は「インターバルを単なる休憩ではなく、有効に活用してもらうことで、レッスンの価値を高められると考えている。Smart Tennis Sensorで取得した内容をスマートフォン上で見返す、マイカルテシステムが次回の来館につながる。現状30分程度になってしまっている、レッスン中の“価値ある時間”をスマートテニスレッスンの導入によって拡大できるはず」と期待を話す。
ルネサンスでは、全国に39カ所あるテニススクールすべてに導入していく計画で、段階的に拡大していく予定。スマートテニスレッスンの料金は現在検討中で、Smart Tennis Sensorはレンタル用を用意するほか、自前のセンサ持ち込みにも対応する。
ソニーの新規事業プラットフォーム SE事業室の田島精一郎氏は「イベント的にスポーツクラブの方に使用してもらうケースはこれまでにもあったが、レギュラーな形での大規模な導入は今回がおそらく初めて」とした。
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